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02月25日-02号

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  1. 松本市議会 2020-02-25
    02月25日-02号


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    最終取得日: 2021-05-04
    令和 2年  2月 定例会---------------------------------------          令和2年松本市議会2月定例会会議録                 第2号---------------------------------------             令和2年2月25日 (火曜日)---------------------------------------               議事日程(第2号)                      令和2年2月25日 午前10時開議 第1 請願第1号 松本市に対して「気候非常事態宣言」を要請する決議を求める請願書 第2 市政一般に対する質問     ------------------------------出席議員(31名)      1番  牛丸仁志          2番  横内裕治      3番  上條一正          5番  内田麻美      6番  塩原孝子          7番  古沢明子      8番  神津ゆかり         9番  土屋眞一     10番  上條敦重         11番  吉村幸代     12番  勝野智行         13番  青木 崇     14番  若林真一         15番  今井ゆうすけ     16番  川久保文良        17番  上條美智子     18番  村上幸雄         19番  上條 温     20番  田口輝子         21番  中島昌子     22番  小林あや         23番  阿部功祐     24番  上條俊道         25番  澤田佐久子     26番  犬飼信雄         27番  犬飼明美     28番  柿澤 潔         29番  芝山 稔     30番  太田更三         31番  近藤晴彦     32番  池田国昭     ------------------------------説明のため出席した者  市長        菅谷 昭   副市長       坪田明男  総務部長      嵯峨宏一   政策部長      横内俊哉  財政部長      高野一司   危機管理部長    森本千嘉  地域づくり部長   守屋千秋   文化スポーツ部長  伊佐治裕子  環境部長      久保田忠良  健康福祉部長    樋口 浩  こども部長     村山 修   農林部長      林 浩史  商工観光部長    小原直樹   健康産業・企業立地担当部長                             小林浩之  建設部長      上條裕久   城下町整備本部長  松崎 勉  上下水道局長    征矢野伸一  病院局長      斉川久誉  教育長       赤羽郁夫   教育部長      山内 亮  選挙管理委員長   赤羽正弘   行政管理課長    中野嘉勝  秘書課長      羽田野雅司  政策課長      宮尾 穣  財政課長      板倉 章   行政管理課課長補佐兼法制担当係長                             伊東伸次     ------------------------------事務局職員出席者  事務局長      市川英治   事務局次長     河村知佳  次長補佐兼議会担当係長      主査        芦田真理            住吉真治  主査        永原浩希   主事        小林あゆみ     ------------------------------               本日の会議に付した事件 議事日程(第2号)記載事件のとおり     ------------------------------                                午前10時開議 ○議長(村上幸雄) おはようございます。 現在までの出席議員は31名でありますので、定足数を超えております。よって、直ちに本日の会議を開きます。 最初に、報告事項を申し上げます。 教育委員会から、条例改正に係る意見聴取の回答が提出されております。本件は、議案第5号 松本市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の一部を改正する条例に関し、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第2項の規定により、議決前に本市教育委員会の意見を求めたものであります。意見の内容は、お手元にご配付申し上げてあるとおりでありますので、ご承知願います。 次に、請願書が1件提出されております。請願文書表第1号としてご配付申し上げてあるとおりであります。 本日の議事は、日程第2号をもって進めます。     ------------------------------ △日程第1 請願第1号 ○議長(村上幸雄) 日程第1 請願第1号を上程いたします。 内容につきましては、請願文書表第1号によりご承知願います。     ------------------------------ △日程第2 市政一般に対する質問 ○議長(村上幸雄) 日程第2 市政一般に対する質問を行います。 質問通告者は、お手元にご配付いたしてあります一般質問者一覧表のとおり19名であります。 一覧表記載の順序により発言を許します。 最初に、22番 小林あや議員の質問を行います。小林議員は質問者待機席へ移動してください。 22番 小林あや議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 おはようございます。小林あやでございます。 議会初日、1番手の登壇は初めてでございますが、会派誠の会を代表し、犬飼信雄議員菅谷市長命名のドン・キホーテこと太田更三議員と共に、一部私見を交えながら、ONE TEAMにて頑張らせていただきます。 なお、私の質問は一問一答方式にて進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 最初に、市長の政治姿勢について質問させていただきます。 まずは、菅谷市長、4期16年大変お疲れさまでした。最後の晩さんならぬ最後の議会という位置づけでの質問が寂しく感じられますし、また、この一瞬一瞬のやり取りが大変貴重な時間であることにも改めて気づかされ、身が引き締まる思いでおります。最後の質問くらいは、市長に毎度のごとく「小林あや議員の早口の質問にお答えします」などと言われないよう気をつけたいと思います。 市長はこれまで、常に本市の身の丈に合った持続可能な市政運営を意識され、その中で最大の効果を発揮させるべく取り組んでいらっしゃいました。4年前、市長は10のお約束を公約として掲げられました。4期目ということで、それまでの3期12年の積み重ねを前提とした公約でもあったろうと思います。 10のお約束とは、病気になってもケアが必要になっても安心な健康づくりを進めます、地域社会における支え合いを深め、地域生活の安心・安全づくりを進めます、次代を担う子供たちを健やかに育む環境づくりを進めますなど10項目にわたる市長の決意表明が書かれています。 市長はこの4年間、こうした公約を掲げながら松本市をかじ取りされてきたわけですが、4年の任期を残すところ1か月余りとなった今のお立場として、この公約の総合評価をどう捉えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。 また、市長ご就任以来、様々なお取組をされてきた中で、最も印象深い出来事もおありと思います。こちらも併せてお聞きいたします。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 お答えいたします。 私が市長4期目を目指した選挙において、市民の皆様と交わした10のお約束につきましては、市長当選後の平成28年8月に策定した第10次基本計画におきまして、5つの重点目標として反映し、具体的な実施につなげてまいりました。そこで、重点目標ごとに主な事業を幾つか例を挙げて申し上げます。 初めに、健康ときずなづくりでは、地域づくりと医療・介護などが連携した地域包括ケア体制が35全ての地区で稼働しております。 次に、次世代を育むまちづくりでは、子ども子育て安心ルームを設置し、子育てコンシェルジュ保育コンシェルジュ母子保健コーディネーターを配置して、妊娠から子育て期までの切れ目のない支援を実施いたしました。 次に、経済の好循環の創出では、市民の健康増進と新産業の創出を両立させる松本ヘルス・ラボを法人化し、松本ヘルスバレー構想を推進するとともに、女性や若者の活躍の場を創出するICT拠点サザンガクの整備を図ることができました。 次に、暮らしと生活の基盤づくりでは、地域主導型公共交通を支援し、交通空白地域における生活の足の維持、確保に努めてまいりました。 最後に、将来世代のためのハード整備では、市役所新庁舎や基幹博物館の建設事業などの長年にわたる懸案事業について、道筋をつけることができたものと考えております。 私といたしましては、市民の生活、市民の皆様とのお約束に可能な限り取り組み、そのことが、野村総合研究所成長可能性都市ランキング森記念財団都市戦略研究所の日本の都市特性評価ランキングなどの大手民間シンクタンクによる高い客観的評価につながったものと捉えております。 最後に、印象に残っている出来事とのお尋ねでございますが、若干の例を申し上げますと、当初はなかなかご理解いただけなかった健康寿命延伸都市を、議会からご提案を頂く中で本市の都市宣言に加えていただいたこと、そして、健康寿命の考え方は今や国を飛び越え、全米医学アカデミー協会で取り上げられるなどインターナショナルなものとなったこと、第23回国連軍縮会議in松本の開催を1つの契機として、次代を担う若者を中心に平和推進事業を進めることができたこと、直近では、食品ロス削減推進法が成立し、30・10運動にちなんだ10月30日が食品ロス削減の日と定められたことなどが当面思いつくところであり、市長の任を退いた暁には、改めて時をかけ回想してみたいと思っています。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 松本市は、市長おっしゃるように、近年、国内外含め客観的評価の躍進が目覚ましく、住民として素直にうれしいと感じます。 健康寿命延伸都市・松本の取組には、全国から多くの自治体や議会が行政視察にいらしています。その多くは松本で宿泊や飲食をされているので、行政視察の経済効果も相当なものではないかと思います。また、30・10運動は今や全国に広がっていますし、国連軍縮会議のような国際レベルの会議が松本で開催できるということを、市にはこれからもアピールしていってもらいたいと思います。 執行権を持つ地方公共団体の長として、地方から国を動かすという市長の思いを筆頭に、様々な施策を担ってきた職員の皆さんの努力、さらに市民の負託を受けた市議会の承認という3つのバランスがかみ合った成果でもあったのではないかと感じているところです。 さて、子供向けに作られた「世界にはばたく日本力」という全10巻に及ぶシリーズ物の副読本があります。これは1冊ごとに「日本のマンガ・アニメ」「日本の宇宙技術」など特定分野に分かれているのですが、2010年に出版された「日本の医療」の中に「世界に名を残す日本人医師たち」という章があり、野口英世氏や中村 哲氏らと並び、菅谷市長の名も連ねられております。ちなみに、この本の「世界をリードする再生医療の研究者」という章には、iPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞された山中伸弥氏も登場しています。 市長の行った人道支援は、何か深い思いに突き動かされたものであったからこそ、高い評価につながったのではないかなと私は思います。しかし、世界にはこうした活動に携わる人たちを邪魔だと思う者もいるようで、中村 哲医師は、昨年末、襲撃を受けて命を落とされました。恐らく当時の市長ご自身も、理不尽な現場を多々ご覧になってきたのではないかと推察します。 そのような状況下にあっても、なぜ活動をやめなかったのか。そのモチベーションはどこからきていたのか。そして、人道支援をすることによってどんな変化が生まれたのか。市長が考える人道支援と政治の在り方に絡めてお伺いをいたします。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) お答えいたします。 初めに、中村 哲医師におかれましては、医療活動だけでなく、人々が生きていくための礎となる農業の復興にもご尽力されていた中、志半ばで銃弾に伏されることとなり、大変残念に思うとともに、心からご冥福をお祈り申し上げます。 議員がただいま紹介されました、私が野口英世博士や中村 哲医師らと並び「世界に名を残す日本人医師たち」として名を連ねていることは、誠に心苦しく思うところでもございます。ただ、あえて申し上げれば、同じ医療者として、苦しむ人々を前に何とかしなければというやむにやまれぬ思いに駆られた状況には違いがないものと考えております。 私の場合、チェルノブイリ原発事故による健康被害に苦しむ子供たちを目の前にして、子供の命を救いたい、僅かでもいいから力になりたいと考え、52歳の旅立ちとして、単身ベラルーシに向け飛び立ちました。言葉も通じず、劣悪な医療環境の下、確かに様々な苦労はしましたが、現地の人々に感謝され、また子供たちの笑顔を見ることが何物にも代え難いモチベーションとなっておりました。 これは以前からも申し上げているところでございますが、異国での5年半にわたる医療支援活動は、私自らの存在理由や生きがいを改めて直視する貴重な機会となり、そのことがまさに私の人生、併せて自身の政治信条における重要な根幹を形づくることとなったものと感じております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 原発事故の後遺症に苦しむ子供たちを救うために奮闘され、感謝の気持ちや笑顔を向けられた経験が、ご自身の存在意義につながり、政治信条の根幹となったというお話を伺いました。これを地域コミュニティーに当てはめて考えてみると、進んで地域の役に立つことをする、人々からありがとうと言われる経験を持つことが、人生の価値を見いだし、生きがいの仕組みづくりの根幹となるように思いました。また、地域の好循環をもたらすには、感謝される人となることの重要性とともに、素直にありがとうと言える人間であることも同じく重要なことだとも思いながらお聞きしました。 市長は、今年の成人式でも、若者たちに対して、地球規模で活躍できる人間に成長していってほしいといった趣旨のメッセージを贈られるなど、グローバルシチズンとしての視野を持つことの大切さについて度々発信されてきました。一方、日本人に対しては、内向き志向で職場及び気の合う仲間同士のコミュニティーの中だけで生活を完結させたがり、面倒くさそうと思うことに対しては見て見ぬふりをする傾向があるとの指摘の声もあります。 今後の人材育成、また教育の方向性を考える上で、今後の参考とするために、次世代に向け市長が伝えたいことは何か、お伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) お答えいたします。 人生二度にわたる海外生活を味わった私自身のささやかな経験も踏まえ、私は、若い人たちは積極的に海外に出て視野を広げることが、豊かな人生を歩む上で大変役立つものになると考えております。確かに日本人は内向き志向と評されることが多く、どうしても安全を優先するといいますか、失敗してはいけないという思いが強過ぎるため、消極的なスタンスに走るのではないかと思っております。 若い人たちには、ぜひ失敗を恐れずに果敢に挑戦する志を養っていただきたい。そして、同時に、机上でのエリートにとどまるのではなく、勇気ある行動の第一歩を踏み出してもらいたいと願っております。あわせまして、地球規模の視野に立ち、人の役に立つ生き方や活動に関心を深められることを大いに期待しております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 おっしゃるとおり、日本社会において失敗に対する寛容度はまだまだ低いと言えます。そつなくこなした者勝ち的な風潮が強いと言い換えることもできるかもしれません。欧米の学生は、学生でいる間に様々な場所を旅したり、経験を積んで自分の視野を広げてから、社会に出ていく若者が大勢います。 4月以降、市長ご自身の新たな生きがいとして、日本の若者をグローバルシチズンに育てるための菅谷教育財団を立ち上げてはどうでしょうかと提案させていただき、市長の政治姿勢に対する質問は終了といたします。 次に、ICT活用社会についての質問に入ります。 ICT技術の進展は、これまでM字カーブに象徴されていた女性の生き方に変化を与え、社会や経済において発言力のある居場所を確保できるツールとして大いに期待されています。一方、女性がどのくらい男性同様に活躍できているのか、目に見えた数値化は、これまでほとんど公にされてこなかったのも事実です。 松本市役所に勤務する職員は、何名の女性が一般事務の管理職に就いているでしょうか。一般事務職全体における女性管理職の割合、また、県内19市の中で本市はどのあたりに位置しているか、お伺いをいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長
    ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 本市の平成31年4月1日現在における課長以上の女性管理職員は、前年度から3名増の14名で、割合にして9.5%でございます。この割合は、10年前の平成21年度に比べて7.0ポイントの上昇、3.8倍となるなど、積極的に女性登用を進めているところでございます。 また、県内における割合の順位につきましては、公表されている平成30年度の状況で申し上げますと、松本市は19市中では10番目となっております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 平成31年4月の課長以上の女性管理職が占める割合は、平成21年度との比較で3.8倍になったとお聞きいたしました。しかし、平成30年度の県の公表データからは県内19市中10位ということで、もう少し頑張ってほしいなという気持ちになります。松本市は、女性職員の能力をうまく引き出せる潜在能力は十分備わっていると思いますので、女性が活躍できる職場へとさらに成長をしていってほしいものです。 内閣府の男女共同参画局には、女性活躍推進見える化サイトがあります。全国の自治体の女性職員の内訳などが公開されていて、多くの自治体が詳細を公表しています。しかし、松本市はほとんどの情報が公開されておりません。ワークライフバランスや健康経営等に関する企業向け認定制度については、松本市のホームページで紹介されておりますが、足元である庁内の状況に関する情報公開が少ないように思います。 こうした情報は、よりオープンにして見える化させていくべきではないかと考えますが、ご見解を伺います。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 ご案内の内閣府男女共同参画局における女性活躍推進見える化サイトは、女性の職業選択に資する情報の公表などを目的に、昨年9月、全国の自治体を対象に実施された調査結果を基に作成されたものでございます。 ご指摘のとおり、このサイトでは松本市の公開内容が少なく、大変申し訳なく思っております。これは本市におきまして行っていることを積極的に公開してこなかった結果であり、今後は次の調査に向け、積極的な情報公開に努めてまいります。 また、来年度は本市の女性活躍推進特定事業主行動計画の見直しの年度であります。そこで、次期計画の策定に向け、女性職員の職務に関する様々な指標を計画に位置づけ、多くの女性に働きたいと選んでいただける事業所を目指して、計画の策定に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 松本市は県内外からも注目を浴びる都市であり、生産世代の女性の流入率が多いというデータが出ていることも特徴です。女性職員が市内の女性たちのロールモデルとなれれば、身近な女性の活躍を肌で感じることによって、また別の女性が刺激を受け、勇気づけられていく、そんな好循環を生み出せるのではないかと思います。市役所が女性の能力も引き出せる職場であるよう、頑張っていただきたいと願います。 さて、本市では、松本市新情報化基本計画が平成29年度から令和3年度までの期間で策定されています。この計画は、行政サービスのICT化に向けた環境整備に重点が置かれています。現在までの進捗状況と課題、今後の方向性についてお聞きいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 新情報化基本計画は、行政サービスの向上と地域情報化の推進を目標に、市民サービスの向上、地域情報化の推進、情報システムの最適化推進、そしてICTガバナンスの強化の4つの基本方針の下、14項目の重点施策を定め、進めております。 これまでの具体的な成果では、地区公民館等におけるWi-Fi化、市役所のテレワークオフィスの整備、道路状況通報アプリの導入、さらにソーシャルネットワーキングサービス、SNSの運用が始まり、施策はほぼ順調に進んでいると認識しております。 ICTの普遍的な課題は、セキュリティー確保とICT人材の育成であると考えております。今後も引き続き、目標に定めた重点施策の実現に向け、スピード感を持ち、かつ腰を据えて取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 施策はほぼ順調に進んでいるとのご見解でした。 一方で、ICT技術の進展は目覚ましいものの、この分野はまだまだ発展途上であるため、年々新たな進展と課題が生まれています。 一例を挙げますと、納税等のキャッシュレス決済新型コロナウイルス正式名称COVID-19というようでございますが、このような感染症が発生した場合のBCP、BCPとは非常事態が発生した場合の対応策をまとめた業務継続計画のことですが、これらは新情報化基本計画の策定時には想定されていなかったものです。 国内でも連日、新型コロナウイルスの感染が広がるニュースが報道され、一日も早い鎮静化を願うところですが、このような事態に備え、ICT技術を活用した新たな課題への対応策が検討されていかねばなりません。特に感染予防に向けた人事面における措置として、集団との接触をできるだけ回避するために、時差出勤、テレワークや在宅勤務、テレビ電話会議システムの利用等が有効であるとして、その必要性を訴える声が日増しに大きくなっています。 これまでテレワークなどは、主に育児や介護を理由とした離職を減らす有効な手段として捉えられてきましたが、今回のケースにより、感染症予防という新たな視点も加わることになりました。 そこで、まずは庁内におけるテレワーク環境の早期導入について、市の見解をお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 本市では、テレワークの定義を、モバイルワークサテライトオフィス及び在宅勤務と位置づけ、職員で構成するテレワーク推進検討部会で、働き方改革に主眼を置いた調査研究を進めてまいりました。 こうした中、昨年10月から全庁的な仮想化基盤の運用が始まり、セキュリティーを担保したテレワーク環境が整いました。現在、本庁及び大手事務所にサテライトオフィスを設置しておりますし、介護認定の現地調査や出張時のモバイルワークを試験的に行っており、効果や利用状況などを検証しながら、基本的には拡大してまいりたいと考えております。 また、在宅勤務につきましても、技術的には即時導入が可能ですが、対人業務が多くテレワークにそぐわない市役所の業務の特性や、パソコンでできる業務が限られていること、また労務管理などの制度上の検討も十分に行った上で、導入の可否を判断してまいります。 いずれにいたしましても、職員が事務室に出向かずに業務が行えるテレワークは、働き方改革の推進はもちろん、今般の事案に対する有効な手段と考えますので、今後はこうした視点も加えて調査研究を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 セキュリティーも担保したテレワーク環境が整ったということでした。 私が市職員のテレワーク活用とシステム環境について初めて議会質問したのが、平成27年6月。そのときからを思うと、ようやくという気がいたしますが、テレワーク環境の整備が完了したことは、将来社会の礎を築く大きな一歩につながることは間違いございませんので、早急に導入されることを要望いたします。 次に、BCP、業務継続計画について質問いたします。 現在、本市で策定されているBCPは震災編のみです。震災編では職員を参集させる想定となっていますが、感染症においては、今回のウイルスのように、むしろ集団の中に入ることは逆に大きなリスクを背負うことになる場合もあるため、職員の参集は慎重に検討されねばなりません。また、感染未確認の間は消防機関で対応し、感染が疑われる症状が見られたり、感染が確認されてから初めて保健所の対応となりますが、新型コロナウイルスは症状の出ない感染者の報告もあることから、この間に被害が拡大することも十分考えられます。このように、感染症の場合は、震災の場合のBCPとは完全に異なる想定に基づいた計画の策定が必要となります。 さらに、WHОはインフォデミックへの警鐘を鳴らしています。インフォデミックとは、根拠のない情報が大量に拡散されることを指します。WHОは、このインフォデミックにより、本当に情報を必要とする人に正確な情報が届かない事態を危惧しています。実際に新型コロナウイルスにおいては、予防にはマスクが必要という意識が広まり、不安を感じる市民や近隣諸国のツアー客などによるマスクの大量買い占めによって小売店の在庫が尽き、風邪で咳が出ているような本当にマスクが必要な市民が手に入れられない事態となっています。そして、インターネット上では驚くような高値で売買されています。しかし、WHОは、マスクの着用だけでは感染予防につながらないとして、むしろ手洗いのほうが効果的であると発表しています。 これらの点から、感染症対策は、ICT活用と危機管理とを密接に結びつけた対応が必要となることが分かります。感染症が発生した場合のBCP策定について、またインフォデミック対策への対応についてお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 まず、BCPの策定についてお答えをいたします。 現在、本市では、大規模地震が発生した際のBCP、業務継続計画は策定済みでございますが、感染症に関するBCPは作成できておりません。感染症に関するBCPは、限られた職員が市民の生命と健康を保護し、市民生活や経済に及ぼす影響を最小限にとどめるよう業務体制を構築するものでございます。 市内の感染期においては、必要な人員確保が中心的な課題となることが想定されるため、在宅勤務などにおける人員確保の手段について研究をする中で、必要な業務体制を構築するなど、BCPの策定について検討をしてまいります。 次に、インフォデミック対策についてお答えをいたします。 WHОは、新型コロナウイルスのインフォデミックに対して、具体的な10の項目、例えば中国からの荷物などを受け取っても感染はしませんよ、またはニンニクを食べても感染は予防できませんよなど、正しい情報に基づき注意喚起をしているところでございます。 本市といたしましても、市のホームページなどで感染症についての知識や情報を掲載するほか、担当保健師などが地区へ出向いた際には必要な予防対策を周知するなど、正しい情報の普及啓発に努めることにより取り組んでまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 先ほども申し上げましたが、テレワーク環境は整ったようですので、感染症対策用のBCPについても、テレワーク環境の導入同様、早急に策定されることを要望いたします。インフォデミックに関しまして、市民生活が混乱に陥らないよう、正しい情報に基づく行動の喚起を今後ともお願いをいたします。 さて、松本市役所新庁舎建設基本計画案が2月に市役所新庁舎建設特別委員会で承認されました。この基本計画には松本市新情報化基本計画との整合性が明記されていますが、令和3年度に終了する新情報化基本計画と令和8年度供用開始を目指す新庁舎建設基本計画を、今後どのようにすり合わせていくのか検討する必要があります。業務のICT化における最大の目標は、職員の皆さんがICTを使いこなすことで、自分の業務の成果をさらに効率よく生産的に高めることであり、この認識の共有が必要です。 宇部市は、スマート自治体を目標として、デジタル市役所推進基本計画を策定しました。ここには、宇部市総合計画から派生し策定された官民データ活用推進計画、その根拠法から成るデジタル・ガバメント実行計画、そして本庁舎建設基本計画の3本柱が盛り込まれています。 松本市としても、今後、総合計画、新情報化基本計画、新庁舎建設計画、BCP、キャッシュレス決済などの盛り込まれた新たな情報化に関する計画を策定していく必要があるのではないかと考えますが、ご見解をお聞きします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 新情報化基本計画は、松本市総合計画の理念を実現するため、平成29年度策定当時の状況を基に総合計画との整合性を図り、ICTに係る方針や基本施策について定めております。また、この計画では、施策の方向性や目標、望ましい姿を明記し、具体的な事務事業につきましては、毎年度、庁内調整の中で確認をし、推進をしております。 議員ご指摘のとおり、次期新情報化基本計画には新庁舎建設計画のほか、ICTに係る状況の変化への対応や他の計画を盛り込むことは当然必要でありますので、令和2年度から着手する現計画の見直しに反映をしてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 社会や経済における女性の発言力のある居場所づくりはもちろんのこと、新庁舎建設計画、キャッシュレス決済や危機管理面など、ICT活用によって実現できる社会の可能性がさらに広がっている今日において、各分野が有機的に結びつき、よりよい成果として現れていくことを期待し、この質問を終わります。 それでは、動物愛護の推進についての質問に移ります。 中核市に移行すると保健所設置が伴う関係で、保護された犬や猫を預かる動物愛護センターを開設する自治体が多く存在します。 平成30年度までの松本保健所のデータによると、平成27年度から犬の殺処分数はゼロ、平成29年度からは猫もゼロになりましたが、これは人間の自分勝手な行動によって行き場を失った動物たちの罪のない命を救おうとする市民活動団体や活動家の懸命な努力によるものであり、こうした市民レベルでの地道な活動が実を結んでいることが松本ならではの特徴であると捉えることができると思います。何よりも、中核市移行による保健所設置が本市の動物愛護推進体制の構築に向けた大きな前進にようやくつながるとして期待する声が、日頃、活動に携わっている各方面の方々から聞こえてきます。 近年、動物愛護センターはコンセプトが大きく変化してきており、市民に親しみやすい内観や保護環境を改善することで、市民が動物に愛着を感じ、新たな家族として受け入れやすい環境をつくり出すための工夫がされてきています。本市において動物愛護センターを開設する予定はあるか、方向性を含めてお聞きいたします。 ○議長(村上幸雄) 久保田環境部長。 ◎環境部長(久保田忠良) お答えいたします。 初めに、中核市移行に伴う保健所設置につきましては、市議会のご了承を頂いておりますとおり、2段階方式としておりまして、令和3年度からの1段階目においては、県松本合同庁舎の一部を借用して設置し、そこで動物の愛護及び管理に関する事務を所管することとしております。あわせて、犬猫保護施設につきましても、県松本保健福祉事務所の施設の一部を借用して運用することとしております。 第2段階保健所につきましては、令和8年度の供用開始を目標としています市役所新庁舎に設置することとしておりますが、犬猫保護施設は窓口的なサービスの提供ではなく、必ずしも庁舎機能と一体的に整備する必要がないため、新庁舎内には含めず、庁外に設置することとしております。 したがいまして、犬猫保護施設を含む基幹的な拠点としての動物愛護管理施設、いわゆる動物愛護センターの設置につきましては、第1段階保健所では予定をしておらず、当面、第2段階保健所を含む組織改編及び機能再配置を見据えながら、その設置の方向性について検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 令和3年度から始まる第1段階目では、県松本保健福祉事務所の施設の一部を借りて犬猫保護施設とし、令和8年度から始まる第2段階目を見据えながら、設置の方向性について検討するとの見解でした。 それでは、動物愛護の推進体制について質問いたします。 58ある中核市のうち、動物の愛護に関する条例を制定しているのは14市、そして、そのほとんどの市が、条例に基づく動物愛護管理推進計画あるいは同等の計画を策定しています。 環境省が公表しているデータによると、条例を制定している中核市と制定していない中核市では、殺処分数に大きな開きがあることが分かります。条例制定している都市はゼロか1桁がほとんど。一方、条例制定していない都市は3桁が並ぶという大きな開きです。行政による体制構築の仕方一つでこんなにも件数が変わるのかと驚きます。 松本圏域では、現在、松塩筑飼犬管理対策協議会、通称犬対協という獣医師や学識者による協議会が設置されていますが、市民レベルの活動団体はメンバーに入っていません。しかし、彼らは実際に動物を保健所から引き取って保護し、心の傷を癒やし、譲渡先まで見つけ、見つからない場合は最後まで世話をし、みとるという活動を地道に行う、現場をよく知る人たちです。しかし、その活動団体や活動家も高齢化が課題となってきており、業務の継続を心配する声も届き始めています。 今から彼らをつなぐネットワークを構築し、一日も早く後継できる人材育成に向けて動き出さなければ、他県で既に発生しているような多頭飼育崩壊の悲惨な状況を松本市がつくり出してしまいかねません。また、心に傷を負った動物の多頭飼育にはノウハウが必要で、誰もがすぐに明日から関われるというわけではありません。命あるものと向き合う以上、責任も伴います。 これまでの行政機関は、活動団体との関わりが希薄で、ネットワークの構築や情報共有の場を設けることもなく、現場に携わる人たちの間では懸念やため息が絶えないと聞いております。そのような中において、犬の殺処分数ゼロという実績は、ただただ活動団体の皆様に感謝の言葉しか浮かびません。動物を飼うとはどういうことなのか、どんな責任が伴うのか、売る側も飼う側も、ただかわいそうだからと餌をやるだけの人であっても、認識しなくてはなりません。犬猫の殺処分ゼロを目指すことも大事ですが、そもそも保健所で保護される頭数そのものをなくしていくことこそ、より重要な課題であろうと考えます。そのために、松本市は早急に体制整備に向けて動かなくてはならないだろうと思うのです。 中核市移行に伴い、動物の愛護に関する条例制定、動物愛護管理推進計画の策定、動物愛護推進員委嘱及び動物愛護推進連絡協議会の設置など、やらねばならぬことは山積みです。早急に動物愛護施策の枠組みをつくっていくことが必要だと考えますが、市の見解を求めます。 ○議長(村上幸雄) 久保田環境部長。 ◎環境部長(久保田忠良) お答えいたします。 議員ご指摘のとおり、現松本保健福祉事務所管内の犬や猫の致死処分頭数がほとんどないという状況につきましては、市民による動物愛護団体の地道で献身的な活動によるものであるということは言うまでもなく、敬意を表するものでございます。 松本市では、地域猫の去勢、不妊手術を行う動物愛護団体の活動を支援するため、平成20年度から補助金を交付し、苦情件数、致死処分頭数とも低レベルで推移をしております。中核市移行後の動物愛護施策につきましては、当面、長野県が平成20年に策定しました長野県動物愛護管理推進計画に基づいて事業を推進することとしております。 議員ご提案の動物愛護施策の枠組みにつきましては、施策の推進を図るため検討が必要であると考えておりますので、1回目のご質問でお答えしたとおり、第2段階保健所の設置方針を見据えながら、動物愛護センターの在り方を含めた施策の枠組みづくりに取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 本市の場合は動物愛護に関する市民の関心も高く、行政の役割は、この貴重な社会資本を草の根で終わらせないよう、持続可能なシステムを構築することであろうと考えます。動物愛護センターがあるから条例が必要ということではなく、センターを開設していない中核市の中には、条例や計画を先行して策定している市もあることから、センターと条例は必ずしも同時に連動させなくてはならないわけではないことを強く申し添えておきます。 中核市移行に伴い、保健所という公的機関が権限移譲されることにより、市民生活に密着した松本らしい行政サービスが展開できるということの一つに、まさにこの動物愛護に関する推進体制の構築が挙げられるのではないかと考えます。松本らしい動物愛護施策の枠組みづくりに向けたロードマップを示すことが大切と考えますが、ご見解を伺います。 ○議長(村上幸雄) 久保田環境部長。 ◎環境部長(久保田忠良) お答えいたします。 現状においては、残念ながら具体的な行程をお示しすることは困難ですが、中核市移行後に、まずは関係者間の協働関係構築を進めながら、松本らしい動物愛護施策に向けたロードマップを作成してまいります。 ロードマップの作成に当たっては、動物愛護団体をはじめ、獣医師会、業界団体、動物の所有者等、動物の愛護及び管理に関係している方々と新たな関係づくりを進め、より一層緊密な体制を構築することで、今後の動物愛護施策がスムーズに進むと考えております。 議員ご指摘のとおり、関係者間のネットワークの構築が大切であることは認識しており、中核市移行後は、動物の愛護及び管理に関係している方々の積極的な協力を幅広く得ながら、施策の展開を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 動物愛護施策を推進することは、子供から大人まで、命の大切さとは何か、責任を持つとはどういうことかを考える貴重な機会を創出することでもあります。近い将来、必ず制度設計を考えなければならないときがやってきます。現場に従事されている方々とのネットワーク構築の重要性を認識されているとのことですので、最初の一歩を早急に踏み出していただきますことを要望し、この質問の続きは別の機会にいたします。 最後に、選挙公報についてお伺いいたします。 これまで視覚障害のある方に配慮した行政サービスを求める声は、点字ブロック整備や広報紙の点字版作成など、市議会でも何十年も前から多くの議員たちによって要望が出され、少しずつ改善が図られてきたことは周知のとおりであり、先達の皆様には敬意を表するところであります。 今回は、視覚障害のある方に配慮した選挙公報をお届けすることができないか、質問をさせていただきます。 視覚障害のある方は、音声ガイドや点字を頼りに情報を収集されます。しかし、これまで選挙公報は、こうした方々へ配慮された形式が整えられてきませんでした。選挙公報の改善に関しては、過去にも複数の議員から直接要望が出されたことがあると担当課からお聞きしていますが、市長選挙を目前に控え、配慮に向けた改善ができないものか、市のご見解を伺います。 ○議長(村上幸雄) 赤羽選挙管理委員長。 ◎選挙管理委員長(赤羽正弘) 初めて答弁をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。 それでは、小林議員の質問にお答えを申し上げます。 視力に障害のある有権者に向けた選挙公報の在り方については、以前から市議会議員をはじめ多くの有権者の方々から要望があり、選挙管理委員会といたしましても長年研究を重ねてまいりました。 視力に障害のある有権者に対する選挙公報等の有効な情報提供方法としては、点字による方法と音声による方法が挙げられますが、点字による方法には幾つかの問題点があります。 1つ目として、漢字仮名交じりの公報を点訳する際、意味の取れない言葉や別の意味にも取れる言葉があり、候補者の意思が正しく伝えられなくなり、点訳次第では不公平となるおそれがあります。 2つ目は、選挙公報は候補者が届け出た活字原稿をそのまま印刷して配布することから、これを仮名点字にすると字数を超えてしまう場合があります。 3つ目は、点訳後の校正、発行等の正確性の確保のために相当の時間を要することから、期間が短く候補者数の多い市議会議員一般選挙では、有権者の手元に渡るまでの時間的余裕がありません。 一方、音声による選挙公報は、各候補者の協力の下、読み上げる文面の順番を決めていただいた上で、コンパクトディスクに録音し配付しますが、僅かながら点字版より早く当該者へ手渡すことができますので、少なくとも今までより各候補者の公約や政治理念など、投票の判断材料を容易に知り得ることが可能となります。 以上のことから、選挙管理委員会としては、3月執行の松本市長選挙から、希望者へ音声による選挙公報の配付を開始する予定で準備をしております。 今後も、目の不自由な有権者にも健常者と同じように政治に参加しやすい環境づくりに努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 小林議員。 ◆22番(小林あや) 〔登壇〕 市長選挙から改善が図られるということですので、ぜひ視覚障害のある方々への周知を積極的にお願いしたいと要望いたします。今後も行政サービスの改善に向けて頑張っていただきたいと思います。 菅谷市長、16年間本当にお疲れさまでございました。 以上で私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で小林あや議員の質問は終結いたします。小林議員は自席へお戻りください。 次に、26番 犬飼信雄議員の質問を行います。犬飼議員は質問者待機席へ移動してください。 26番 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 誠の会、犬飼信雄でございます。小林あや議員に引き続き、太田更三議員と共に、ONE TEAM2番手として、通告に従いまして私見を交え、件名ごと一括にて質問させていただきます。 初めに、市長の政治姿勢について、4期16年の総括について伺います。 市長の任期も残すところ31日となり、市長の胸のうちを察することはかないませんが、4期16年にわたる市政運営につきましては、多くの実績を残され、市民の多くがトータルとして高い評価をしており、私の立場からもお礼と感謝を申し上げる次第であります。市長という激務をこなされたことに対しましても、深く敬意を表する次第であります。 市長は16年前、「あんしん」「脱・モノ優先社会」「つながり」を掲げ、市民が主役のまちづくりを進めることを通じて、いのちの質、人生の質を高める施策を充実させると所信を述べられ、市政のかじ取りをスタートさせました。それが健康づくり、子育て支援、危機管理の3Kプランに具体化され、後に健康寿命延伸都市・松本の創造という都市目標につながり、食品ロスをなくす30・10運動とともに国を動かし、全国有数の活力ある都市にランクされました。その最たるものが、昨年度、一昨年度と続けて大手民間調査研究機関、特に昨年度の森記念財団都市戦略研究所の調査結果で、主要都市10位と高い客観的評価を得たことだと思います。何より、早期の胃がんの手術後に市長職に就き、自身も述べられておりますが、健康で4期16年を務められたことは、がん患者への希望と検診による早期発見、早期治療への大きな動機づけとなったことと思います。 マラソンの有森裕子選手は、バルセロナオリンピックで銀メダルを獲得しました後、けがによる故障もあり、一時は走れない状態から立ち直り、1996年のアトランタオリンピックで銅メダルに輝きました。「自分で自分を褒めたい」という言葉をレース直後に述べられましたが、菅谷市長は4期16年を今まさに走り終えようとしております。 また、先日、市民の皆様に感謝を込めて4期16年のまちづくりにまつわる話の中では、全ては歴史が評価すると話されていますが、4期16年間をどう評価するのか、言葉で表現すれば自分にどのような言葉をかけたいと思っているか、併せて伺います。 1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 お答えいたします。 まず初めに、私の4期16年にわたる市政運営につきまして格別なるご理解を頂くとともに、身に余るお言葉を頂きましたことに心から感謝を申し上げます。 改めてこの4期16年を振り返ってみますと、一介の医療者にすぎない私が、市民の皆様の後押しにより全く考えてもみなかった政治の道に身を投じることとなり、自分に何ができるのだろうかと自問自答する中、何よりも市民の皆様が安全・安心の下で健康に日々の生活を送ることができることを第一に、市民の負託に応えるべく、堅実、着実、誠実に取り組んでまいりました。 4期16年の評価とのお尋ねでございますが、私の市政運営の評価を私自身がすることは大変難しいところであります。ご紹介ありましたが、チェルノブイリでの私の活動も同様でありますが、全ては歴史が評価するものと考えております。 また、別の見方をすれば、ドイツの哲学者ヘーゲルの言葉のごとく、ミネルバのフクロウはたそがれに飛ぶとの警句に委ねる思いもございます。なお、この言葉は、英知や哲学が象徴のフクロウが夕暮れに姿を見せるように、歴史や世界の現象は最後にようやく意味が分かるものだと解釈されております。 改めまして、私の市政運営に至らない点も多々あったかとは存じますが、ただ一つ確実に言えることは、私はこの16年間ぶれることなく、地方都市松本から国を動かそうという思いの下、健康を切り口に、いいまち・松本のまちづくりを市民の皆様と共に一歩一歩、そして粘り強く地道に取り組んでまいりました。その点につきましては、自分自身に「お前、よく耐えたな」と一定の及第点をつけてもよいのではないかと思っております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 ご自分の市政運営を自分自身で評価することは難しいとのことですが、哲学を用いた文化薫る表現で評価されましたことは、最後の最後まで菅谷市長らしさを感じました。言葉では謙虚さがにじみ出る中、市民の皆様と共に取り組んだいいまち・松本のまちづくりを、ご自分の言葉で耐えたなと及第点をつけられたことは、歴史の評価に値する言葉ではないでしょうか。 続きまして、2回目の質問をさせていただきます。 菅谷市長は、就任に当たって、先人たちの築いてくれた貴重な財を継承し、地域資源を再発見し、再利用し、有賀市政のよいところ、すばらしいところは継承発展させていくと述べられ、まさにそのとおりの道を歩まれたと思います。私が若い頃お世話になった和合市長は、市長は駅伝のランナーに似ている。前任者からたすきを受ける。ベストを尽くして走る。走る距離は様々で、必ずしも健脚ではなかったかもしれないが、全力で走り抜いて次の人にたすきを渡せたと話していましたが、和合市長も有賀市長も、そして菅谷市長も、すばらしい区間賞、いや、区間新記録に輝いたと思います。 そこで伺います。次の人にたすきを渡すに当たってどんな言葉をかけたいか、次の区間のランナーに何を期待するのか、これは継承発展させてほしいことなど、ぜひお聞かせいただければと思いますので、伺います。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) お答えいたします。 私自身が、ただいま犬飼信雄議員におっしゃっていただいたような、区間賞や区間新記録に輝くようなランナーに値するとは毛頭考えておりませんが、私といたしましては、健康を維持しつつ、無事4期16年という非常に長い区間を途中でリタイヤすることなく自らの足で走り抜け、次のランナーにたすきをつなぐことができることに、いささかの達成感を覚えております。 これはあくまでも私が医療者の頃の話でございますが、私の恩師の一人であります日野原重明先生から必ずや本物の医療者になりなさいとの教えを受けました。本物の医療者、すなわちプロフェッショナルということであります。私はこの教えを基に、まちづくりのプロフェッショナルになろう、そして本物のいいまち・松本のまちづくりをしようと精いっぱい取り組んでまいりました。 こうした自らの経験を踏まえ、次のランナーにたすきを渡す際には、市民、議会、そして職員の声にしっかりと耳を傾けながら、本物のまちづくりに力を注ぐ優れたプロフェッショナルになってくださいとエールを送りたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 答弁を頂きました。最後まで市民が主役の大変重みがあるエールだと思います。私たち議会も本物のまちづくりを目指す方向性は同じと考えますので、新たなプロフェッショナルと大いに議論を深めていきたいと思います。 また、今回このような質問をさせていただきましたのは、戦後の昭和22年に制定された選挙制度後72年経過しますが、本市においては、任期中に退任を表明し、ご勇退する市長は菅谷市長ただ一人であるとともに、誰一人として退任最後の議会でご勇退の一般質問に答えた市長は過去にいませんでしたので、議場での発言により記録と記憶に残させていただくための質問でした。 続きまして、危機管理について伺います。 昨年10月12日午後から13日未明にかけて東日本を縦断した台風19号は--実は、発言通告後の19日に、台風19号は気象庁から令和元年東日本台風と命名されましたが、私は今回の質問は台風19号で通しますので、ご容赦願います。台風19号は、各地にこれまで経験したことのない大雨を降らせ、その結果、全国184の自治体が被害に見舞われました。 長野県においても大きな被害が出ました。1月のある新年会の席上、阿部長野県知事は、被害総額が約2,600億円に上ること、住宅被害も9,000世帯に及ぶことから、2月県議会に補正予算を計上し、国及び関係機関等と協力し、全力で復興、復旧に取り組む姿勢を挨拶の中で示されました。松本市では、農作物被害を中心に倒木、土砂崩落などがありましたが、被害は限定的で人的被害はありませんでしたが、被害に見舞われました皆様に改めてお見舞いを申し上げる次第であります。 この台風で私が思い出したのは、昭和34年8月14日の台風7号の影響です。空前の雨台風で女鳥羽川が氾濫して、中心市街地で3,904戸が水没しました。当時の一般会計予算総額10億円に対しまして、被害総額は7億数千万円。災害救助法が適用され、時の岸 信介内閣総理大臣が、村上 勇建設大臣、福田赳夫農林大臣を伴って被災地視察に来るほどでした。降旗市長の時代です。松本市は国の支援を受けて復興に着手、女鳥羽川沿いにあった開智小学校を移転させ、女鳥羽川を拡幅した後、小学校の移転に併せ、旧開智学校の本館を明治の姿に復元し、その本館が昨年9月に国宝に指定されたことに、ある種の感慨を覚えます。 昨年12月定例会の一般質問等におきましては、被災直後ということもあり、多くの議員がそれぞれの立場、視点で質問し、あるいは提案を行いました。答弁では、危機管理に取り組む松本市の力強い姿勢が示され、心強く感じたところであります。 また、菅谷市長は、今回のような台風による集中豪雨が松本市に襲った場合、どのような事態に陥るか、しっかりと整理した上で対応策を取るよう指示していることを踏まえ、これまでの取組に加え、議員からの指摘、提案なども加味することはもちろんですが、今回の台風災害の教訓から見えてきた課題は何か、また課題解決に向けてどう取り組むのか、併せて伺います。 ○議長(村上幸雄) 森本危機管理部長。 ◎危機管理部長(森本千嘉) 昨年10月の台風第19号、名称改め令和元年東日本台風において、本市は幸いにして人的被害はなく、おおむね適切な対応ができたものと考えておりますが、現時点において課題を5点認識しております。 今回の台風では、被災地へ多くの本市職員が直接支援を行い、私も含め、被災地域で災害対応に携わる関係者や被災地職員の非常に切迫し混乱した状況を目の当たりにいたしました。本市は平成24年に、市町村では県内唯一となる危機管理部を創設して以降、危機管理体制のさらなる充実を図るべく取り組んでまいりましたが、このたびの災害を契機として、災害という突然の惨事に対し、いま一度全職員が気を引き締めて、松本市職員行動指針に示されております「常に危機管理意識を持ち、市民の生活を守るため率先して行動します」、これを再認識し、日頃からの危機管理意識を見直すことが重要であると考えるものであります。これが課題の第1点目です。 課題の第2点目は、昨年12月の定例会本会議一般質問におきまして、複数の議員各位からご指摘いただきました市民への情報伝達が挙げられます。改善の取組といたしましては、まず、災害時には回線負荷の少ない軽量版の専用ホームページに切り替えることといたしました。次に、昨年12月にヤフー株式会社と締結した協定に基づき、同社サーバー上に市ホームページのコピーサイトを作成し、アクセス集中の回避を図ります。また、防災行政無線の放送内容が確認できるテレホンサービスの回線数を、本年3月までに従来の6回線から24回線増設し、30回線といたします。さらに、あらかじめ登録いただいた方の固定電話やファクスへ直接情報を発信する災害電話サービスを本年4月から運用し、情報発信手段の重層化と強靱化を図ります。 課題の3点目は、被災時の受援体制の確立です。本市は今回の台風において、先ほども申し上げましたが、発災直後から相互応援協定に基づく支援を実施いたしました。被災地の現場では、受援側の窓口が一本化されておらず、受援体制と支援内容の取りまとめに混乱があったように見受けられました。このことから、本市が被災し支援を受ける場合、速やかに受援窓口を設置し、必要な支援を効率よく受ける体制の確立が必要です。本市においては、県内19市で初となる松本市災害時受援計画を本年1月に策定し、あらかじめ受援体制や受援対象業務を定めております。今月13日に竣工いたしました松本市防災物資ターミナルの運用と併せて、発災直後から迅速かつ円滑な災害応急業務や被災者支援が実施できるよう、万全の備えを進めているところであります。 課題の4点目といたしましては、より迅速な避難所の開設と円滑な運営の実現であります。地元関係者、地域づくりセンター、避難所担当職員らが常日頃から顔の見える関係を築けるような仕組みづくりについて、関係部局において具体的な打合せを進めております。 最後に、課題の5点目、ハード面での課題、すなわち河川整備が挙げられます。国土強靱化の観点から、本市における各施策の指針となる松本市国土強靱化地域計画の推進が着実かつ速いペースで図られますよう、河川管理者である国・県へ積極的に働きかけてまいります。 今後も引き続き、様々な災害、危機管理事案の検証から本市の課題を精査し、訓練等を通じて絶えず見直しを行うことで、本市にとって必要な防災減災対策をちゅうちょすることなく実施し、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 答弁を頂きました。1点目から5点目まで課題解決に向けた答弁であり、内容につきましても、先日、信濃毎日新聞の台風19号4か月県内全市町村長アンケートでも報じられました着手済みの回答と同趣旨のところもございますが、より市民の安全・安心を確保するため、職員自ら被災者目線で危機管理に力強く取り組む姿勢がうかがわれましたので、大いに期待したいと思います。 それでは、2回目の質問をさせていただきます。 昨年の台風19号は、全国59の河川で90か所の決壊が確認され、各地で浸水被害が広がりましたことが報道されました。長野県においても、ご承知のとおり、東北信を中心に甚大な被害に見舞われました。松本市においても、女鳥羽川の水位が避難判断水位を超え、警戒レベル3となり、避難準備・高齢者等避難開始が発令されました。 そこで、河川の安全性についてお伺いするわけでありますが、まず、本市の市民周知の現状について触れたいと思います。 本市のホームページで、100年に一度の確率で降雨が発生した場合の各河川での、堤防決壊及び越水による浸水状況や浸水の深さをアニメーションで見ることができます。平成28年5月30日に、千曲川河川事務所が最新の犀川浸水想定区域図を公表し、想定最大規模時の洪水浸水想定としたため、松本市でも浸水想定区域が拡大してきている状況が千曲川河川事務所のホームページにアップされています。 本市では、ハザードマップの見直しを来年度の令和2年度に1,000年に一度の確率で降雨が発生した場合への改正が予定されているため、その旨の断りは記載されていますが、現時点では松本市防災マップ及び地区ハザードマップには反映されていません。また、多くの河川が国土交通省、各地方整備局、県の所管であることから、設計図、数値など参考となる資料がないため、公表できないことは承知の上で質問させていただきます。 台風19号による大雨と同規模のものが本市周辺に降ったと想定した場合、本市の主要河川の氾濫や堤防の決壊の可能性について、現時点での考えを伺います。 ○議長(村上幸雄) 森本危機管理部長。 ◎危機管理部長(森本千嘉) お答えいたします。 今回の雨量につきましては、東北信地方各地で観測史上第1位、第2位の降水量を記録いたしました。その結果、千曲川流域では、長野市における広範囲にわたる洪水被害が発生し、千曲市、上田市、佐久市など各地で堤防の越水や決壊が発生いたしました。 松本市は主要河川の上流域に位置しておりますので、同様に主要河川の上流域に位置しております佐久市の状況が参考になるものと考えます。佐久市における今回の雨量は48時間で311ミリメートルの降水量を記録し、これは100年に一度の降水確率による千曲川の浸水想定の基準としております198ミリメートルを大きく超えるものでありました。佐久市における被害状況を各管理者に照会いたしましたところ、千曲川支流の堤防決壊が2か所、土砂災害が8か所で発生したとのことでありました。その結果、2名の方がお亡くなりになり、住宅被害は全壊が17棟、半壊が136棟、一部損壊が120棟、床下浸水が721棟と報告されております。ご質問の、今回、東北信地方に降ったような雨が松本市で降った場合は、佐久市を襲った以上の河川氾濫や土砂災害の発生が想定されます。 こうした事態を受けまして、また、今後さらなる被害の激甚化も予想されますので、河床掘り下げや堤防強化などの河川のハード整備につきましては、先ほども申し上げましたとおり、河川管理者である国や県に対し、市としてしっかりと働きかけてまいります。 市といたしましては、今まで以上に気象情報や水位情報をはじめとした災害に関する情報の収集に努めまして、早め早めの適切な時間に避難情報を発令してまいります。想定外ということがないよう、全市を挙げて万全の備えで臨みます。 議員よりご紹介がありましたとおり、市では現在の100年に一度の降水確率に基づくハザードマップを、来年度、1,000年に一度の確率のものに更新し、全戸に配布する予定であります。市民の皆様には、ハザードマップを活用し、平時から危険箇所を把握していただき、災害発生の危険がある場合には、行政からの避難情報を待つことなく、自らの判断でも素早い避難行動につなげることができるよう、出前講座等を通じて積極的に働きかけてまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 それでは、答弁を頂きましたので、3回目の質問をさせていただきます。 あの台風19号の集中豪雨の雨量を佐久市に当てはめ、被害状況の説明があり、被害想定された答弁を頂きました。佐久市と同じような地形という中での松本市に置き換えた場合の被害も、相当数出たなという感じを受け取りました。 実は、私は、今回の雨量による例えが佐久市で本当にいいのかという疑問を感じました。といいますのは、先日、今回の市長選挙立候補予定者の一人は、今回の女鳥羽川に例え、この雨量が東北信では女鳥羽川の雨量の3倍あり、必ずや東北信と同じ惨事に見舞われる、先ほど部長から答弁を頂いた以上の結果が出るというような内容で話され、私がもし選ばれるんでしたら、この対策、対応に力を注いでいきたいと力強い言葉でお話しになったことを申し添えておきます。 また、過去に牛伏寺川、田川、犀川、女鳥羽川、奈良井川、梓川など、多くの河川の氾濫、決壊を見聞きしてきました。その後、河川改修などが行われ、この台風が来るまでは、災害という地震への備えが中心という傾向が強かったのですが、今回の東北信の惨状を見るにつけ、大変不安を感じている市民が多いと聞いていましたので、あえて質問させていただきました。 また、ハザードマップの完成後に検証をしっかりさせていただき、具体的な案件で質問もさせていただきたいと思います。 それでは、3回目は梓川上流三ダムについて質問させていただきます。 このことにつきましては、東日本大震災を受け、今までも私のライフワークとして、ダムの安全性を中心に、耐震性、耐用年数、越流、決壊シミュレーションなど、機会あるごとに質問させていただきました。多くの同僚議員もそれぞれの視点で質問、提案されていますが、今回は大雨によるダムの安全性と下流域の安全性について伺います。 ダムは、砂防、治水ダム、梓川上流三ダムのような水力発電を目的とするもの、奈良井ダムのように水道用水を目的としたものなど、目的別に建設されています。これらのダムの地震に対する安全性については、確認がされていますが、今回の台風19号級の大雨が降った場合のダムの安全性については、多くの市民が不安を感じていると聞いています。また、今回の豪雨でも、ダムの貯水量が容量近くまで達した際に放流する緊急放流が全国6か所で行われ、栃木県の塩原ダム下流は浸水被害が発生しましたが、この放流は規則に沿ったもので、水害を防ぐことの難しさが報じられていました。 この状況を梓川上流三ダムに置き換えた場合、ダムの安全性を確保するため、緊急放流はあり得るのか。また、緊急放流が実施されたときの下流域の影響はどうなるか、併せて伺います。 ○議長(村上幸雄) 森本危機管理部長。 ◎危機管理部長(森本千嘉) お答えいたします。 梓川三ダムは発電目的ダムでありますので、治水ダムにおける異常洪水時防災操作、いわゆる緊急放流という用語を用いないことをまず初めに申し上げておきます。 そこで、梓川三ダムにおいて、降雨により流入量が増加した場合はどうしているのかについて申し上げますと、その都度サイレンを鳴らして同量を放流します。 したがいまして、ダムの上流部で異常な降雨が発生した場合は、下流域へその分の雨量が流れ、今回のような100年に一度の降水確率を超える降雨の場合、ハザードマップでお知らせしている浸水が発生することが想定されます。大雨が予想される場合、防災上注意すべきは、まさに降水量でありまして、ダムの上流域にあります上高地、乗鞍、奈川などの観測地点における降水量の監視が最重要であると考えております。 なお、国では過去の水害の経験から、下流域の洪水被害を軽減するため、緊急時において、発電目的ダムであっても洪水調節機能を持たせる事前放流の導入方針を示し、ダム管理主体へ協力要請を始めております。梓川三ダムを管理する東京電力松本事業所に照会いたしましたところ、梓川三ダムも治水協力の対象となっており、国の主導により事前放流等治水協力のための検討がされる予定とのことでございます。梓川水系において、この事前放流等治水協力が実施され、あらかじめ大雨、台風に備えてダムの水位を下げておくことができれば、下流域に当たる安曇から島内に至る梓川流域において、浸水被害に対する安全性が高まることが期待できると考えられます。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 答弁を頂きました。緊急放流でなく事前放流ということで、下流域の影響は少し心配するところですが、まだ少し疑問を持っております。といいますのは、あれだけの雨量が短時間で降ったとき、いつ頃から事前放流をして対応するかと考えますと、緊急放流と違うのか、これも少し心配になってきます。 今後、国主導による事前放流時の治水協力が実施されるということでありますので、私もその後さらに調査を重ね、私のライフワークはまだ続くことを申し添えておきます。 最後に、危機管理でありますので、新型コロナウイルスに対する対応につきましても、市民の安全・安心確保のため万全な取組を要望し、危機管理の質問を終わらせていただきます。 続きまして、地域づくりについて伺います。 今回の質問に当たり、調査のため「地域づくりとは」をインターネット検索しましたところ、松本市の地域づくりとはが何と数百あります検索項目のトップにアップされており、驚きを感じるとともに感激も覚えました。ただ、全国の自治体の成果例は数多く記載されていますが、この成果も即その自治体で取り組める内容ではなく、背景、歴史文化、環境、地域性、人材、資金など、様々な要因で難しさも報告されていました。 本市においては、平成26年3月に松本市地域づくりを推進する条例を制定し、翌4月には地域づくりセンターを設置して、町会長をはじめ関係役員の協力により地域づくりに取り組み、6年を経過しようとする中で、それぞれの地域特性を生かした住民主体の地域づくりは、当初に比べ浸透してきていると感じています。また、それに応じて地域包括ケアシステムやコミュニティスクールなど、地域への期待もますます高まってきている現状であると理解しております。 しかし、一方では地域の高齢化や担い手不足が急速に進んでおり、今後の地域づくりを進める上で、役員だけでなく幅広い住民の参画により地域運営を考えるべきと考えますが、見解を伺います。 ○議長(村上幸雄) 守屋地域づくり部長。 ◎地域づくり部長(守屋千秋) お答えいたします。 地域づくりの取組は、町会長をはじめとする地域の役員の皆様のご労苦に負うところが大きく、市としても感謝を申し上げるところでございます。 議員ご指摘のとおり、昨今の地域への期待の高まりに伴い、役員の負担が増し、中には役員が中心となって活動を進めることに行き詰まりを感じている地域もありますので、町会連合会と共に負担軽減策などを検討しているところでございます。そのような中、これからの地域運営は楽しさを軸とした仲間たちの集まりなど、役員主導ではない活動をいかに地域につなげていくかが重要になってくるのではないかと考えております。 去る1月27日、地域づくりについてご意見を頂く松本市地域づくり市民委員会から第4期活動のレポートを頂きましたけれども、この中で、楽しさが幅広い住民の参加につながることや、楽しさを求めて積極的に活動する役員ではない住民の存在が大切であるとの意見を頂きました。また、2月16日に教育部との連携で開催をした未来へつなぐ私たちのまちづくりの集いでは、松本の地域コミュニティーの活力を評価する東京大学の牧野 篤教授の基調講演をお聞きし、分科会では、自ら楽しみを持って地域課題に取り組む松本市内の事例を基に、住民が主役の地域づくりについて話合いをし、楽しさから始まる住民の主体的な活動の重要性を、町会関係者をはじめ参加者で共有をしたところでございます。 今後は、この楽しさを軸とする主体的な住民活動を地域づくりへとつなげ、多くの住民が地域の中で生きがいを持って暮らしていける仕組みづくりについて、検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 1回目の答弁を頂きました。 集まり、活動につながる楽しさによる地域づくりは期待したいと思いますが、楽しさとは何か、早い段階での方向性を見いだしていただくことを期待いたします。また、役員だけが地域づくりを担うのではなく、多くの住民が仲間と一緒に楽しみながら活動し、それが結果として地域づくりにつながるという姿は理想的と考えます。 ただ、そういった活動を生み出すとともに、その生まれた活動を地域の課題解決につなげていくには、縁の下で支える存在が不可欠とも考えます。本市では、地域づくりセンター長をはじめ地区ごとに様々な担当職員を配置していますが、配置職員がそれぞれの特性を生かしながら住民の活動を支えていくことが肝要と考えます。 そこで伺います。地区を担当する職員による支援体制の現状と、現時点での取組状況について伺います。 ○議長(村上幸雄) 守屋地域づくり部長。 ◎地域づくり部長(守屋千秋) お答えいたします。 まず、地区の支援体制につきましては、松本市地域づくり実行計画の中で、地域振興機能を担う地域づくりセンター、学習機能を担う公民館、地域福祉機能を担う福祉ひろば、この3者で構成される地域づくりセンター体制をベースとしまして、保健師や地域包括支援センター、社会福祉協議会など、様々な組織がそれぞれの専門性を生かしながら、連携して地区を支えていくこととしております。 この体制は、地区担当職員が定期的に集まり、目的を共有しながら地区の支援策等を話し合う地区支援企画会議の定着化によって整ってきており、現在は地域ケア会議に担当職員全員で参画するなど、各地区でチームとして動くケースが増えてまいりました。 今後、このチームによる動きをさらに充実させ、確かなものとしていくことが重要と考えていますが、特に今年度は、地区支援企画会議による35地区統一的な取組の一つとしまして、地区診断書の作成を進めており、年度内に完成させる予定でおります。この地区診断書は、住民が日頃の生活ではあまり知ることのできない地区の現況データや人口推計、地区担当職員の専門分野に関するデータ等を集め、市全体のデータと比較することで、地区の特徴を踏まえた地域づくりの参考にしていただくものであり、今後、まちづくり協議会や地域ケア会議等において、地区の役員の皆様等にお示しをし、地域課題の解決に向けた話合いを促進していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 犬飼信雄議員。 ◆26番(犬飼信雄) 〔登壇〕 2回目の答弁を頂きました。 3回目は要望といたします。 様々な組織がそれぞれの専門性を生かしながら連携して地区を支え、地区支援企画会議の定着化によりチームワークで動くということであり、地区診断書の作成を進め、一定の整理の上、地域課題の把握や解決に取り組む一助にすると答弁を頂きました。大いに期待したいと思います。 今後、楽しさを軸とする主体的な住民運動をどう推進するかや、それらの活動を地区や町会とどう結びつけるか等について、地区の職員たちが専門性を生かしながら、地域と一緒に検討を進めていってほしいことを要望いたします。 最後に、残り少なくなりました菅谷丸の無事なる航海をお祈り申し上げ、私の全ての質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で犬飼信雄議員の質問は終結いたします。犬飼議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後1時10分といたします。                             午前11時53分休憩                             ----------                              午後1時10分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 30番 太田更三議員の質問を行います。太田議員は質問者待機席へ移動してください。 30番 太田更三議員。 ◆30番(太田更三) 〔登壇〕 発言の機会を頂きましたので、会派誠の会を代表いたしまして小林あや議員犬飼信雄議員に続き、ONE TEAMの思いで一括にて発言させていただきます。 令和もはや2年目になり、期待されるオリンピックイヤーが始まりました。今年は災害のないことを願うところでありましたが、新型肺炎が世界経済、社会秩序にも影響が広がる中で、松本保健所管内でも先ほど感染者が出たとの報道がありましたが、被災された皆様方にご冥福とお見舞いを申し上げながら、我が国の冷静かつ安心な対応を切に願うところであります。 さて、松本市は、市長選挙が3月15日に行われます。菅谷市長の引退表明があり、これまでは4年ごとの選挙のたびに現職が続投するものと割り切って質問をしてまいりましたが、引退表明後の一般質問の経験がありませんから、今回は長い議会活動を共にさせていただいた菅谷市長に私の思いを述べ、市長の思いを再確認して、もって今後の議会活動に生かしたいと思います。 それでは、初めに、市政の継続についてであります。 理世安民。NHKの歴史秘話ヒストリアで「信長より20年早かった男 最初の『天下人』」として三好長慶が放映され、理世安民が取り上げられておりました。乱世であれば、なお道理の下に民を安んじるという番組だったと思います。道理とは、辞書で森羅万象に筋が通っていることとありますが、寄って立つ位置によって道理は違うと思います。この時代は、三好長慶の考え方が道理だったと感じます。 市長の言われる3Kプラン、健康寿命延伸都市も、親子が三世代、四世代で暮らすことも菅谷時代の理世安民だと思います。菅谷市長の公約、理世安民は、大多数の市民に共有された事柄であり、市長の人徳のなせる業だったと思います。「ぶれず」と市長は言いますが、「ぶれず」とは、どこから始まったのかお聞きをしたいと思います。 犬飼議員に市民、議会、職員の声を聞きますと言われましたが、市長が「ぶれず」と言ったときに、私は「君子豹変す」という言葉を感じました。今、基幹博物館、市役所新庁舎、市立病院建設が市長の徳により進んでいるところだと思えば、平成16年の市民芸術館の市民論争を思い出します。公共事業は、為政者の趣味ではなく、市民益、地域益というか、市民福利のためだと思うところであります。市長が手がけ始めた事業がためにする議論というか、市民をあおることなく穏やかに粛々と市民福利の事業として進みますことを願うところであります。市長としては、三大事業にどのような思いがあるのかお聞きいたします。 量から質への継続についてを申し上げます。 2010年にプラチナ構想ネットワークを立ち上げた第28代東京大学総長、東京大学総長顧問の小宮山 宏三菱総合研究所理事長の著書「日本『再創造』」の中で、自動車で言えば、2人に1台の先進国と100人に1台の新興国を先進国並みにする普及型需要と、先進国の更新需要、いまだ姿を見せない創造型需要を想起しなければならないと言い、普及型需要、創造型需要、課題解決先進国が論じられております。 私は、需要を見つけ、発展し続けるのが人類社会だと思っております。量から質へとは、発展があって初めて質が得られるのだと思っています。ですから、常々市長から言われる、先ほど小林議員もおっしゃっておりましたけれども、行け行けどんどんとかドン・キホーテのがむしゃらとやゆされましても、全てがそこから始まっておりますので、そういう考え方であります。発展がなくて困るのは我々であり、発展とは何かを「日本『再創造』」で考えさせられました。量から質への枕言葉に、誰もが経験したことがない人口減少社会であれば、これ以上の発展は望めないと言われますが、戦後出発時は、それこそ人口少時代でした。経済をイノベーションによって克服し、家庭経済が豊かになり、人口が増えました。そして、中流意識という質を生んだと思います。 今は、家庭経済が低迷し、人口が減っていますが、これをICT、AI、ロボットで克服すれば、そこには創造型需要や課題解決先進国の発展があり、さらには、そこにMMTでのベーシックインカムな世界があると思います。要するに、善意の富の分配だと思っております。そこには日本の政治の根本、和をもって貴しとなすの質があると思います。 市長は、平成16年の当選後、平成17年度予算に量から質へをキャッチフレーズにいたしまして市政運営を進めてきたと思います。市長の量から質の始まりは、那辺からの思いであるのかお聞きいたします。 次に、都市の姿の継続についてであります。 松本を世界に売り出した市長の功績は、大変大きいと思います。地方から国を動かすとして松本を世界的に売り出したのは、菅谷市長の健康寿命延伸都市・松本の創造政策だと思います。基本構想2020で松本の都市像を定め、2013年に健康寿命延伸都市宣言を行い、その施策の推進に尽力してきたと思います。小宮山 宏三菱総合研究所理事長を招聘し、松本地域健康産業推進協議会を設立し、松本地域健康産業推進協議会主催で2011年12月9日に第1回世界健康首都会議が世界健康首都会議宣言とともに始まり、爾来、松本ヘルスバレー、松本ヘルス・ラボなどとともに発展し、2014年東急キャピトルタワーにおいて第1回プラチナ社会研究会総会で小宮山理事長の「プラチナ社会の実現に向けて」の基調講演と、当時の平尾商工観光部部長の「東洋のスイスから松本ヘルスバレーへ」との報告が行われるなど、松本市の世界的施策が位置づけられてまいりました。 また、国宝松本城、昨年国宝に指定された旧開智学校校舎、松本市民芸術館やキッセイ文化ホールを会場とする世界的な催物、世界の草間彌生画伯の基幹美術館、上高地、美ケ原といった自然環境資産が松本を国内外にアピールしております。これらが相まって、森記念財団都市戦略研究所都市特性評価ランキング10位となり、不動の人気都市であり、一過性ではない普遍的な誇れる松本市であります。今後どのような都市を望むのか、市長に伺います。 以上で1回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 太田議員の1回目の継続に関するご質問に包括的にお答えいたします。 思い起こせば16年前、医療者である私の人生設計の範疇においては、全く予想もしなかった市長という道を歩むこととなりました。行政や政治には経験が極めて乏しい私が、市長としての重責を担い大海原に船出する姿に、市民の皆様の中には、少なからず不安の念を抱かれた方々も大勢いらっしゃったことと思います。 しかしながら、私自身といたしましては、「焦らず、気負わず、地道に、自分のできる範囲で」という自らの人生哲学の下、医療者の市長としてできることを健康を切り口としたまちづくりとして柱を一つに定め、以来、この的を外すことなく、これまでの16年間、試行錯誤を繰り返しながらも、ぶれることなく孜々として市政運営に邁進してまいった次第でございます。ただ、別な視点から見ますと、これは私自身の度量の狭さであり、ほかに能がなかった故の結果に由来するものでもございます。 また、量から質への発想の転換も同様に、医療者として将来を見据えた視座の下で思料したものでございます。 人口が急増し、飛躍的に経済的発展を遂げた高度成長時代が過去のものとなり、近い将来、少子高齢型の人口減少社会が急速に進展することを予測した私は、そうした社会におけるこれからの発展とは、各人が自分なりの生き方を問う成熟の中にあると捉えておりました。そして、金銭的・物質的な充足感ではなく、五感を通してしみじみと生きがいを慈しみ、長い歳月にわたり意欲的に自分磨きに励み、将来に不安を感じることなく、自分なりの品性を備えた人生を送ることができる真の豊かさや質を備えた本物のまちづくりをしていきたいと考えたところでございます。 今、振り返れば、私のこのぶれない、豹変できない不器用さが、時にかたくなな印象につながったとするならば、私の不徳の致すところであります。しかしながら、私自身といたしましては、矜持と謙虚の気持ちを忘れずに、選良としての名に恥じぬ生き方に可能な限り努めてまいった次第でございます。 さらに、市政や都市の姿の継続という点で、私自身のことを申し上げれば、先ほど犬飼信雄議員がご発言されましたように、先人たちが築いてこられた優れた事象は、継承し発展させていくという姿勢で市政運営に邁進してまいりました。今後におきましても、ただいま太田議員にご紹介いただいたような将来に残すべき松本の普遍的価値や、かけがえのない財産を大切に継承していただきたいと考えております。 加えまして、これまで二元代表制の下、議会の皆様とともに重層的な討議を重ね、しかるべき手順を踏まえ道筋をつけてまいりました重要課題につきましては、その道筋を継続し、市民の皆様に混乱を招くことなく、着実かつ円滑に進捗を図ることが極めて重要であると考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 太田議員。 ◆30番(太田更三) 〔登壇〕 2回目の質問をいたします。 今、市長から、能がというお話がありましたけれども、市長の能は、ほとんどの方が認めておることだと思っております。 それでは、2回目の質問をいたします。 神戸市長を1969年から1989年まで5期20年務められた宮崎辰雄元市長は、2期目の選挙では自民党が支持を撤回し、革新自治体となり、イデオロギー抜きでは都市経営ができなくなりました。その一つに、関西第二空港を泉州沖と争った神戸空港断念がありました。1994年、関西国際空港開港、2006年の神戸空港開港を草葉の陰でどう思っているかは、知るよすがもありません。後年、実務家の私から見れば、革新は現実離れしていた。以後、政治的イデオロギーは入れずに、公約の実現に全力を尽くしてきたと言われたようであります。 現在は、当時よりすさまじい政治体制であり、与党か野党の組合せの上に、敵に塩は送らないとさえ言い、怖ささえ感じるところであります。4期16年、そこには市長でなければ分からないしがらみがあったり、話すにも話せない難しいこともあったりと思うところでありますが、市長のこれまでの政治理念をお伺いいたします。 次に、量から質への質問をいたします。 昨年から話題の神戸空港といえば、我が県の田中元知事は、神戸空港反対闘争が契機になり、2000年から2006年の知事就任、そして脱ダム宣言。その後、2009年から2012年の民主党政権のコンクリートから人への事業仕分で、災害防止や世界最先端の科学技術に陰りを感じたのは私だけではないと思います。兵庫県のSPring-8に視察に行き、先進医療やら中性子の衝突で見えないものを見るという話を聞き、先進医療を一般質問で取り上げましたが、信州大学医学部附属病院では考えていないとすげないお話でありました。しかし、間もなく相沢病院で先進医療が始まり、病の克服には先進的な質の高い取組が必要だと強く強く感じたところであります。 再度SPring-8を視察したとき、今も2位じゃ駄目なんですかというそのビデオがロビーで流れ、説明する責任者が1位と2位の差が分かっていないと嘆いておられました。その時点で国では、国際リニアコライダー(ILC)の建設計画が1993年の国際将来加速器委員会(ICFA)で始まり、世界の研究者から日本でのILC、国際リニアコライダーの実現を熱望されていますが、総額8,000億円のうち5,000億円の負担が事業仕分やプライマリーバランスの黒字化問題があり、いまだに決定はされておりません。今年の日本学術会議が先月30日に3年ぶりに開催をされまして、北上山地に誘致している国際リニアコライダーは、負担金5,000億円がネックになりまたもや重点計画に選ばれませんでしたが、次点候補として将来への可能性は残っているようであります。 このILCの応用範囲は、医療・生命科学から新機能の材料・部品の創出、情報・通信、計量・計測、環境・エネルギー分野など、現在想定されていないイノベーションが創出されることと経済効果が5兆円と試算をされておりますし、世界中の研究者や技術者が集まる国際研究都市も期待されております。 さらに、ノーベル物理学賞の湯川博士が1957年から核融合反応懇談会会長として尽力されてきた地上に太陽をつくるという、2兆4,400億円で2,900億円が日本の負担となっているITER、国際熱核融合実験炉の事業がフランスとの誘致合戦で2005年に敗れてしまいまして、これなんかは、今年、市長が署名をした世界首長誓約/日本の解決事業だと思っておりますけれども、こういう事業が負けてしまってフランスへ持っていかれました。 そのほかに言いますと、昨年末には、2012年ノーベル生理学・医学賞をもらった山中教授のiPS細胞のCiRA研究所への支援についてもごたごたしまして、そういうことがごたごたするような状況で今、日本はいるわけですけれども、このような世界一級の研究というものは、国民のためにも、経済のためにも、国の質のためにもやっていただきたいものだと思っております。そこには、自然は人知を出し抜くから人知は自然を出し抜くになるかもしれない国際リニアコライダーなど、挙国一致で誘致をするべきものであろうというふうに思っております。松本からも応援をして、その成果の中から質につながる松本ヘルスバレー構想等の創造型需要を、地方から国を動かすということで色々な施策をやってまいりました市長としては、松本市でそういったものをしっかりと応援をして、そしてその成果の一部を頂いて松本で事業展開をしたらと思っているところであります。このことは市長としては将来的にやるべきことであるのかどうかという観点から、お答えを頂きたいと思います。 都市の姿の継続につきまして申し上げます。 市長の高速交通網の原点は、国際観光インバウンドの国際都市化なんだねと元旦のテレビを見た方から言われました。私の高速交通網の視点は、就職や進学で関東圏に行ったとしても通勤・通学して、家族で暮らせる新幹線構想であります。そして、それが高速交通網の問題点であろうというふうに思っております。そういう中で、都市特性評価ランキングが10位、こういう松本であれば、Uターン、Iターン、Jターンの方が多く松本に居住を求めてくるのではないかとも思っているところであります。 新幹線施策のような開発につながるような問題については、反対がある問題でありまして、しかしそこには、市長のようにおおよそ反対のない徳のある、そういう市長でありますから、その市長がこの問題を取り上げてくれれば、松本市民、松本圏域住民の皆様のまとまりをつくるには非常に市長の手腕が発揮されるものではないかと思っておりまして、菅谷市長に大変期待をしながら発言をしてきたところであります。新幹線が走るにいたしましても、一般的には30年ぐらいかかってしまいますから、むげにするのもやむを得ないかなとは思います。それでも、みんなが黙っていたら来ないということを思えば、来てもらうようにするには誰か言ってなければいけんだろうと、そして辞めていく部長さんたちからも、もっとあの件については長いことかかるかもしれんけれども言ってくれよなというようなことも言われながら、今まで続けてまいりました。 これから南信にリニア中央新幹線が走る、そういう将来に対して、松本の将来というものを描くわけには私はいきません。様々いろんな職業がある大都市圏に向かうことは、戦後の金の卵時代から不変の場所だと私は思っております。新幹線で東京と主要都市が結ばれ、今度はリニアで結ばれます。先ほど小林議員もアフガニスタンで亡くなられた中村 哲医師のお話をしておりましたが、この方をしのぶ番組で、一番大切なことは故郷で家族と暮らせることと、1日に3回ご飯を食べられることだと、こういうことを言っておられました。東北信から関東圏への通勤・通学状況を聞けば、松本で家族が暮らせる高速交通の新幹線をと思います。家族同居なら、幼児や高齢者の福祉が、今後、国から削減をされていきましても、家族によって守っていけることだと思っております。 また、10両編成の新幹線なら、全部乗らないにいたしましても、基本的には1,000人が移動できる、そういう車両でありますから、これが1日に何本か走るということになれば、日常経済にも観光経済にも影響をすると思います。そこに小宮山先生の言われる日本の創造型需要や課題解決先進国を思えば、東京一極集中から分散型都市を目指せるとも思います。 市長、私の思いは少し期待し過ぎでしたかねということも言いながら、めげずにもう少しこけの一念で一からやり直してみます。家族を離れ離れにさせない、東京一極集中を分散させる、そういった新幹線構想への私の淡い思いへの市長の見解をお聞きしたいと思います。 以上で2回目の質問といたします。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 それでは、太田議員の2回目の幾つかのご質問に順を追ってお答えいたします。 初めに、政治のしがらみに関するご質問にお答えします。 確かに様々な思惑がうごめく政治の世界ではありますが、無欲恬淡に生きる私自身は、あえてそうしたイデオロギーや政治思想を政策実現の場に持ち込むことなく、市民が主役を基本姿勢にバランスのとれた市政運営に当たってまいりました。 続きまして、世界一級の研究への応援に関するご質問にお答えいたします。 具体的に今、国際リニアコライダーへの応援を考えているわけではございませんが、ただいまのご提案は、まさに国家的視点、あるいは国際的視点で松本のことを考えられたものと敬服いたしております。このことは、私が常々シンクグローバル、アクトローカル、地球規模で考え、地方から行動を起こすと申してまいりましたこととお互い相通じるものと大変うれしく感じたところでございます。私といたしましては、本研究が将来、新科学館の充実強化を補い、松本市の大いなる飛躍につながることを願ってやまないところでございます。 最後に、松本新幹線に関するご質問にお答えいたします。 今回も高速交通網の整備で大都市圏との距離を近づけることで、人や物の流れを活性化させ、東京で働きながら松本での暮らしを実現するという太田議員ご持論の松本新幹線構想をご披露いただきました。私といたしましては、市民の皆様が松本で働き、生きがいを持って松本で暮らす姿を目指し、健康寿命延伸都市・松本の創造に取り組んでまいりますので、これまでの幾度かのご質問でもそうした考え方をお答えしてまいりました。ただ、太田議員のぶれないこの道一筋とも言える先見性のある発想が、私は、いつの日か日の目を見るチャンスが到来する可能性を否定するものではございませんことをここに申し添えておきます。 いずれにいたしましても、現時点においては道筋の違いはありますが、活力あるわがまち松本をつくりたいという気持ちはお互いに同じであったと本日も改めて痛感したところでございます。自由の身になりましたら、時と場所を変えて、希望や夢を描きつつ、フランクに語り合えますことを大変楽しみにしております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 太田議員。 ◆30番(太田更三) 〔登壇〕 市長に今、私と同じようにぶれずと、市長と比べられたら私はどこへ行ったらいいか分かりませんけれども、市長にぶれずと言われたその言葉を肝に銘じながら、こけの一念でまた頑張ってまいりたいということも思っております。 それでは、3回目の質問でありますけれども、最初に、量から質への継続についてを質問させていただきます。 1960年から1990年の日本は、高度経済成長を遂げ、世界一の国と言われました。そこには、国、県、市町村の職員がおりました。彼らは需要事業に着手をいたしまして、不夜城とも言われる霞が関、県庁、市役所で優秀な頭脳を駆使して国の発展に努めてまいりました。また、政治家では、吉田、池田、佐藤、田中内閣総理大臣が体を張って政治に邁進したということもあり、あるいは経済界では、本田、松下、井深、盛田さんのような、そういう立派な社長さんたちが生まれました。偉人たちは、国や国民を豊かにすることを目指して、国民もまた、国や会社のために粉骨砕身をしたと思います。 余儀なく田舎の共同体を出された若者は、終身雇用制度の会社に再び共同体をつくり、社歌を歌い、上司と同僚、部下と酒を酌み交わし、会社がよくなれば自分たちもよくなり、日本はもっとよくなると頑張り、国は、企業に差が出ないように護送船団方式で外資等から守り、経営も安定させてきました。団地や社宅に家庭を持ち、給与も職種での格差も少なく、管理職と比べても遜色のない平等な社会でありました。社長が君らの子供、孫の代まで面倒を見ると言えば、社員は涙を流したとも言われております。その結果生まれたのが、一億総中流時代でありました。これが日本の本来の姿だと思います。それが生活の質の高さだったと思います。それが和をもって貴しとなす善意の富の分配だと思います。 旧ソビエト連邦のゴルバチョフ書記長が日本を視察したとき、この国には理想の共産主義があると言い、それを実践した日本の指導者は優秀で、国を豊かにすることに真剣に向き合い、共同体のリーダーは国を思い、共同体のメンバーの幸せを真剣に考え、共同体のメンバーは共同体のために労働にいそしみ、その結果、世界に有数の経済大国となり、国民は世界的に大変恵まれた収入を得たと言われたようでありますが、それは前にも一般質問で申し上げたケインズの経済学が本であったかと思います。 1970年以降、日米貿易摩擦で日本を脅威としたアメリカの通商局のカプラン極東部長が護送船団方式を暗に批判的に報告いたしまして、日本に新自由主義市場だとか市場経済主義を促してまいりました。ここに至ったところには、田中角栄元内閣総理大臣の金脈問題もありましたが、その根っこには、マラッカ海峡をタンカーが渡るということは、あそこの海賊問題があってなかなか難しい、であればマレーシア、あるいはインドネシアのところにパイプラインを造って、南側から船が着いたら、北側から石油を日本に持っていくと、こういうことをやったらどうかとか、あるいはフランスの首相と約束をしたことがあったようでありまして、これが核燃料を採掘すると、こういうことでありましたけれども、これをフランス領のアフリカのニジェール共和国で採掘をすると、こういうような計画もあったりいたしまして、アメリカの頭ごなしにやったことがどうも虎の尾を踏んだと、こういうことのようであります。 そういうことで、だんだんと日本が市場経済主義のほうに傾いてまいりまして、特に中曽根内閣、小泉内閣は圧倒的な国民の支持を頂いて、そして民営化、構造改革、規制緩和ということでナショナリズムよりグローバル化のほうの路線に導いてきたと、こういうことであったかと思います。 先月、子供を取り巻く課題、虐待、貧困のセミナーに行ってまいりました。家族制と地域の井戸端な会議場所、そして家庭経済が重要である、相談員の公務員は3年ぐらいで異動してしまってなかなか育たないが、民間相談員と行政がどう関わるかが課題である。正社員であれば、生涯納付するお金は約4,800万円。しかし、生活保護の給付は5,500万円ほどになってしまう。貧困から救えば、約1億円の便益になる。こういうことも解説をしておられました。今後、働き方改革で収入が減り、貧困につながることは怖いと、こういうことも言っておられました。 世界の潮流は、欧米の自国第一主義の中、イギリスがブレグジットして、そしてナショナリズムを取り戻すのかなということも思いますし、自国通貨圏の国々は、MMTとベーシックインカムな世界を創造型需要、課題解決先進国として対応するのかなということも思います。市長の政治観といいますか生活観はどのようなものか伺います。 また、菅谷市長とのやり取りの中で、先ほど1問目、2問目を少し飛ばしてしまいましたが、もう少し時間がありますので申し上げますが、市政の課題、継続につきましては、大規模であるが故に、どういうことがあるのかということで神戸市立医療センター中央市民病院の視察に行ってまいりました。 ここは、平成10年から市民福祉の向上、神戸経済の活性化、国際社会への貢献を目的として質の高い医療を目指し、その評価が5年連続厚生労働省全国救命救急センター評価1位という、そういうところに表れながら、そのほかにもiPS細胞の戦略特区であるとか、高度専門病院群の形成であるとか、スーパーコンピューター「京」の後継機拠点という、そういうようなことにこの病院がなってまいりまして、そして新たなステージへと進んでいると。これも市民病院でありますから、医療産業クラスターを松本市も産官学でつくりながら、しっかりとした病院を造って松本のためになるようにしていただきたいなということも思いながら、そこに菅谷市長が関わる姿を見たかったと思うところであります。 あと少し時間がありますので、こけの一念の新幹線を少し言いますと、朝6時に乗れば7時半頃には終点の東京駅へ着きます。そして、一日仕事をして、帰りは銀座か有楽町、八重洲口辺りで一杯飲んで、そして帰ってくれば、8時には家へ来て一家団らんが楽しめると。こういうようなことでありまして、それをもしできるなら松本へ住民票を移す、あるいは松本圏域へ住民票を移せば、そこでの増収につながるわけですから、その増収分の何割かを使って新幹線の通勤・通学用の車両を買い上げると。そして、そこへ安いお金で東京へ運ぶ、あるいは関東圏へ運ぶというようなことをやって、そしてそのことによって松本に住んで通えるという状況をつくったらどうかとも思っておりますし、雇用対策には、先ほどの国際リニアコライダー等々の先進的な一級的な技術を持ってきて、そしてそこに創造型需要を起こせば、それをまたPFI事業で起こせば、ベーシックインカムの原資にもなるだろうなということも思っております。家族を守るための解決策をそういったところに求められるように、もう少し頑張ってみたいなというふうに思っております。 いずれにいたしましても、松本市で家族が一緒に暮らせる、こういう状況を今のこの高速交通網時代であればできるわけでありますから、そういうところを目指しながら、もう少し頑張ってみたいなというふうに思っております。 市長とのやり取りには、生活の在り方等々いろいろ考えさせられることがあり、楽しかったなどと言えば、議場を何だというふうに怒られちゃうかもしれませんけれども、いい日々を過ごすことができました。本当に長い間ご苦労さまでございました。 以上で私の発言といたします。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) 〔登壇〕 3回目のご質問にお答えします。 私のごとき凡人にはとても思いつかないような発想に富んだ太田議員の情熱あるご質問でございますが、私の答弁は少しトーンダウンして申し訳ないですけれども、聞いていただきたいと思います。 もとより、生活を営む上では収入が必要であり、ご発言のありました子供の命に危険を及ぼすような貧困などは、国を挙げて解決しなくてはならない極めて大きな問題でございます。また、市長として松本市をあずかってまいりました私にも、まさに正面から突きつけられた問題でもありました。私としましては、その問題を解決していく答えとして健康寿命延伸都市・松本の創造に精力的に取り組んできたところでございます。 そうした状況を踏まえつつ、我が国の社会全体を俯瞰しますと、議員ご発言の一億総中流と言われる時代から、日本全体がバブル景気に沸いていた時代と、そのバブル崩壊とともに失われた20年と言われる景気の低迷の時代を経る中で、国民は生きる上での大切な何かを失い、拝金主義や際限のない物質的欲望が渦巻く社会になってしまったと私は感じております。今や我が国は、これからどこに向かおうとしているのか大変気になるところでもございます。 「足るを知る者は富み、強めて行う者は志有り」と老子にあります。これまで私は折に触れ、人生100年時代を迎え、自分自身の生き方、いのちの質や人生の質が問われる時代が到来すると、これまで申し上げてまいりました。生きがいを持ち、生きている喜びに満ちあふれ、充実した生活を持続することが人生における真の豊かさであり、幸福なのであるとの思いが私の人生観としてあり、そのことが政治観にもつながっているものと認識しております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 以上で太田更三議員の質問は終結いたします。太田議員は自席へお戻りください。 次に、5番 内田麻美議員の質問を行います。内田議員は質問者待機席へ移動してください。 5番 内田麻美議員。 ◆5番(内田麻美) 〔登壇〕 会派公明党の内田麻美でございます。発言の機会を頂きましたので、会派を代表し、勝野智行議員、近藤晴彦議員とともに通告に従いまして質問させていただきます。なお、質問は一問一答にて行わせていただきます。 今回は、松本市の伝統工芸に関わる課題について質問いたします。 松本では、民芸家具、繊維製品、あめやみそなどの食品など、昔から親しまれている名工、名産品が多くあります。伝統工芸品とは、日常生活の中で古くから使われてきた工芸品であり、今もなお伝統的な原材料を使い、伝統的な技術、技法により手工業的に製造されている工芸品です。 NPO法人日本伝統文化振興機構による日本伝統工芸品産業に関するアンケートでは、一番の課題は人材育成・後継者育成、次いで販路開拓、次に新商品・新デザイン等の開発となっています。中でも伝統工芸の技術の継承者不足は、大きな課題であります。伝統工芸は、一度途絶えると復活することが困難な上に、多くは材料の確保や製造工程など分業で行うところも多いため、どこか一つでもなくなってしまうと全体に影響が出てしまいます。地域の特色をさらに発信していくことが今後の地域産業の発展のためにも重要であります。手仕事による良さ、またこの技を生かして新しいものを作っていくなど、技術をつないでくれる人が増えていくとよいと思います。 そこで、現在の本市の伝統工芸の業界の現状と課題について、本市の認識をお伺いします。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) 〔登壇〕 お答えいたします。 ご案内のとおり、本市には木工や家具、装飾品、染色・織物、楽器、食品など多岐にわたる伝統的な産業がございます。その中で伝統工芸の現状でございますが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、経済産業大臣の指定を受けた松本家具や松本紬を含む信州紬のほか、長野県伝統的工芸品指定要綱に基づき県知事の指定を受けた信州からまつ家具や白樺細工など複数の事業者が携わる分野がある一方で、単独事業者により独自の技術が継承されている分野も数多くございます。 また、課題といたしましては、伝統工芸品に対する需要の縮小に対応した新たな需要の獲得や販路の拡大、後継者の確保・育成、産業として成立するための稼げる仕組みの構築、そのために必要な知名度の向上など、多くの課題があるものと認識しております。 こうした課題に対応するため、本市では、平成18年度に松本商工会議所や松本特産品振興協会、伝統産業の従事者、松本市教育委員会などと松本ものづくり伝承塾実行委員会を組織しております。その中で後継者育成助成や販路拡大支援、体験講座の開催、信州・松本名工・名産品ガイドブックの作成など、伝統産業、伝統技術の継承発展のための事業に取り組んでいるところでございます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 内田議員。 ◆5番(内田麻美) 〔登壇〕 お答えを頂きました。 ただいまの答弁にも松本には多岐にわたる伝統的な産業があるとのお話がございましたが、ガイドブックには、家具、木製品、繊維製品など様々な分野の名産品が載っています。各名産品の歴史的背景や現状などが詳しく説明をされています。例えばギターについては、自社ブランド製品の開発やオーダーメイドに特化し、大量生産方式から半手工業の手法による差別化を図った結果、トップミュージシャンからも高い評価を得ていますとあります。 本市では、松本家具やギターなど、とても好調な事業がある一方で、私がご相談いただいた木工家具の職人さんからものづくり伝承塾の制度に対するご意見を伺いました。そこで、ものづくり伝承塾による支援制度の一つである伝統工芸等後継者育成助成金のこれまでの実績、評価についてお伺いします。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 伝統工芸等後継者育成助成金は、松本地域で受け継がれてきた伝統産業の後継者を育成する事業者に2年間を限度に月額2万円を助成する制度で、平成20年度に創設されております。創設以来10年余りで活用事例は、今年度申請の2件を含め、5事業者7件でございます。 この助成金を活用いただく中で、松本家具で1名、松本紬で2名が新たな技術習得者となって、現在もそれぞれの分野でご活躍されており、伝統技術の継承に一定の貢献を果たしてきたものと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 内田議員。 ◆5番(内田麻美) 〔登壇〕 お答えを頂きました。 この助成金を活用され、新たな継承者がいらっしゃるということが分かりました。 では、後継者育成に対する助成金制度そのものを事業者側に知らせるためにどのように取り組まれているのでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 この助成金でございますが、伝統産業をなりわいとする事業者を対象にしたものでございますので、松本ものづくり伝承塾実行委員会では、関係する事業者を全てリストアップし、助成金の活用等に関するアンケート調査の実施をはじめ、折に触れて事業者の皆様にご案内し、活用促進を図ってきているところでございます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 内田議員。 ◆5番(内田麻美) 〔登壇〕 お答えを頂きました。 本市の現在の助成金の支給額は、月額2万円で2年を限度としています。他の自治体の例として、新潟県長岡市の長岡市伝統工芸後継者育成支援事業補助金では、月額10万円から15万円を5年間、後継者育成に取り組む事業者に交付をしています。このような手厚い補助がある自治体もありますが、助成金の増額についてのお考えはありますでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 後継者育成に係る助成金制度は、後継者の育成を進める上での一つの方策と考えておりますが、議員ご紹介の長岡市のように助成額の大きな自治体では、国の指定する伝統的工芸品または県・市の指定する有形・無形文化財など、対象を限定した制度となっております。 一方、本市では、そうした条件は設けず、より幅広い分野を対象に助成を行ってまいりました。こうした現状でございますが、冒頭、議員がご発言されましたとおり、伝統工芸の卓越した技術を後世へつなぐ後継者の確保・育成は大変重要であると松本市としても考えておりますので、ご提案いただきました助成金の増額に関しましては、今後、他市の事例も参考にしながら松本ものづくり伝承塾実行委員会の中でしっかり研究を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 内田議員。 ◆5番(内田麻美) 〔登壇〕 お答えを頂きました。 石川県金沢市の例としては、研修者の寮の家賃が月2万円程度、独り立ちして工房を開設するときは経費の2分の1、250万円まで助成をし、工房の家賃も半額を2年間助成しています。後継者不足と言われる一方で、終身雇用という形態にとらわれず、ものづくりなどのやりがいを求める若者もいます。これは要望ですが、将来を担う伝統工芸を受け継ぐ若者の人材育成と定住を促進するために、空き家バンクの制度もありますので、利用ができるような取組もぜひお願いをいたします。 また、松本ものづくり伝承塾実行委員会のメンバーについてですが、伝統工芸に携わるメンバーが現在1人でありますが、職人の意見がより反映されるためにもメンバーの増員も検討していただくことも要望をいたします。 次に、後継者を育成する意味で、児童生徒たちに伝統工芸品に触れてもらう機会を設けることも大切かと考えますが、これまでの関わり方や今後の学校との取組についてお伺いします。
    ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 現在行われている取組といたしましては、希望する学校に事業者が出向き、伝統工芸品などの製作の体験指導を行う体験講座や、児童生徒が工房を訪問し、製作指導を受ける体験学習などの取組を行っております。 また、信州・松本名工・名産品ガイドブックを市内の全小・中学校に配布しているほか、伝統工芸品等の製作工程を記録したDVDの学校への貸出しなど、子供たちが松本の伝統産業について知り、より理解を深めるための取組も行っているところでございます。 今後もこうした取組を推進し、児童生徒が伝統工芸品に触れる機会を増やしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 内田議員。 ◆5番(内田麻美) 〔登壇〕 お答えを頂きました。 ものづくり体験講座として平成30年度の報告では、丸ノ内中学校で初音作りを行っています。初音は竹製の笛で、今から70年ぐらい前までは大みそかの晩に町や村に初音売りがやってきて、子供たちは買ってもらった初音を手に二年参りや初詣に出かけ、松本の年末の風物詩であったとあります。 また、開智小学校では、松本てまりの製作学習を行ったり、中学生の職場体験学習では、木工家具の工房での体験をしたそうです。学生だけでなく、一般向けにも開催されている体験講座では、松本筑摩高校を会場にえとの押絵作りが行われたり、数年前のみすず細工の体験講座では、竹ひごを使ってのコースター作り、また木製品では木製輪ゴム鉄砲作りで、親子参加で子供たちには細かな作業で組立てるのに苦労した人もいましたが、オリジナルのゴム鉄砲の完成に喜ばれた講座となったようです。 製作工程を記録したDVDは、松本てまりや民芸家具など分野ごとにあることを私は初めて知り、今回、私は藍染めの紹介DVDを拝見しました。藍染めは、松本でも江戸時代には広く行われるようになり、型染を行う権利が一部の人に限られていたため、絞り染めが大半でした。それが、江戸時代の終わりには解禁されて誰でもできるようになり、明治の終わり頃まで盛んに行われていました。しかし、化学染料の普及とともに藍染めも徐々に衰退をし、今では松本で藍染めを行っているのは、藍染浜染工房1軒のみとなります。DVDでは、作成工程がとても詳しく紹介され、作品が仕上がっていく様子は見事でした。ぜひこのような貴重な資料は、伝統産業を知る機会やものづくりの体験が不足している現代に、職業選択の多様性についての教育の一助となると考えますので、もっと児童生徒たちに授業などで見せて活用していただきたいと思います。 次に、先月、1月15日から21日まで本市で第35回長野県伝統工芸品展が開催をされ、ワークショップの開催もしていますが、県との連携も含め、今後の販路拡大の取組についてお伺いします。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 年1回、松本市の百貨店で開催をされております長野県伝統工芸品展は、県内各地から20を超える伝統工芸品が出展され、1週間にわたり展示販売や技術の実演、製作体験が実施されるなど、多くの方々が信州の磨き抜かれた匠の技に触れることのできる大変よい機会となっております。この工芸品展でございますが、松本ものづくり伝承塾の支援対象となる市内事業者も多数出展するなど、県と連携した事業として開催をされております。 また、販路拡大に向けた松本市独自の取組といたしまして、毎年、首都圏や中京圏で開催しております松本地域の物産展に松本ものづくり伝承塾として出展し、伝統工芸品の販売を行っております。 今後もこうした取組を継続、強化し、知名度向上と販路拡大につなげてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 内田議員。 ◆5番(内田麻美) 〔登壇〕 お答えを頂きました。 伝統工芸品展の開催中に地元の小学生たちが見学に来たとのこと。また、ワークショップの開催は集客が見込める一つの手段でもありますので、積極的に行っていただくと効果があると思われます。 2018年の株式会社JTB総合研究所の地域の特産品(地場産業・伝統産業品)への意識調査によると、関心度が高いのは、意外にも若い世代で、20代、30代男性であり、生産地で歴史や技術的な背景を聞き、見学をしたいという回答が51.6%、生産地の工房や工場、直販店などで購入したいという回答が31.4%という結果が出ています。20代から40代の女性は、自分で製作体験をしたいという意向が高く、中でも20代女性は、ものづくり体験は旅行先で体験してみたいという結果でした。松本市内では、多くの市民が集まるイベントが多数開催されています。そうしたイベントへの出展なども今後検討されてはいかがでしょうか。検討していただくことを要望いたします。 県外での販路拡大の取組については、昨年10月に新宿駅西口広場にて地域のちからコレクションが3日間開催され、松本ものづくり伝承塾も出展されたとありました。この地域のちからコレクションは、2012年から始まり、高感度な情報発信拠点として、高い価値に対する社会的な要請が高まっている首都圏の駅チカで開催をしています。地域活性化を基本テーマに駅チカスペースを活用して、地域の情報や魅力を発信する事業として好評を博しています。今後も松本の観光PRも含め、さらなる取組に期待しております。 伝統工芸品を身近に感じてもらえるよう、受け継がれた技術を生かしながらも現代の暮らしや生活様式に合う商品も新しくできており、気軽に日々の暮らしに取り入れられる伝統的工芸品も多数あります。日本の伝統工芸品は、近年のインバウンド観光客を含め海外からも注目を集め、旅行客は自宅用やお土産として購入する人も増えています。大量生産したものを使い捨てるという社会が見直され始め、それよりも品質が良いものを長く何世代にもわたって使い続けたいという方もいます。7月からの東京オリンピック・パラリンピックに向けて、松本の伝統文化のよき再発見がさらに加速していくことを願いまして、私の全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で内田麻美議員の質問は終結いたします。内田議員は自席へお戻りください。 暫時休憩いたします。 再開は午後2時45分といたします。                              午後2時20分休憩                             ----------                              午後2時45分再開 ○議長(村上幸雄) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市政一般に対する質問を続行いたします。 12番 勝野智行議員の質問を行います。勝野議員は質問者待機席へ移動してください。 12番 勝野智行議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 会派公明党の勝野智行でございます。会派を代表し、内田議員に続き、近藤議員とともに私見を交え質問をさせていただきます。 なお、質問方法は一問一答です。 国民の間で今最も気がかりなのは、中国武漢で発症し世界的な広がりを見せ、感染者が拡大し続けているCOVID-19と名づけられた新型コロナウイルス感染症ではないでしょうか。まずは、この新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々とご遺族にお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々並びにご家族の皆様にお見舞いを申し上げる次第でございます。 さて、本日、午後零時半から阿部長野県知事の緊急記者会見が行われ、長野県内で初めて松本保健所管内において60代男性1人の感染が確認されたと発表されました。やはり来てしまったかという気持ちであります。本市の方とは限りませんが、早速対策本部会議を開き、迅速な緊急対応を松本市に要望をいたします。 政府は、これまでクルーズ船ダイアモンド・プリンセスの対応や湖北省からチャーター機で戻って来られた方への対応を懸命に行ってきました。と同時に、国内においての感染者の確認と対応を続けてきましたが、感染は日々拡大を続け、これまで本県を含む複数の都道府県で感染が確認されております。 また、2月13日にお一人、20日にはクルーズ船の乗客2人が、さらに23日にもクルーズ船の乗客お一人が死亡してしまいました。院内感染が疑われるケース、また感染経路不明のケースも複数あらわれてきております。政府は15日、これまでと状況が異なるとして、国内流行に備えて水際対策重視から重症者を減らすための対策を加速させる方針に転換、16日には専門家会議を実施しました。 また、昨日も現状を感染拡大への移行期に当たるという認識で専門家会議を開き、さらなる感染拡大を防ぐための具体策などを議論しております。これを受けて本日、政府は新型コロナウイルスに対する総合的な基本方針を我々国民に示すとしております。 一般社団法人日本感染症学会は、今月初頭にホームページの「新型コロナウイルス感染症に対する対策の在り方について」とのお知らせの中で、現在は武漢からの渡航者の入国は禁止になっております。しかし、それ以前の数週間の間に多数の入国者があったことを考えると、既に本邦にウイルスが入り込み、市中において散発的な流行が起きてもおかしくない状況と考えられます。今後症例の増加に伴い、重症例が報告されてくることを覚悟しておかなければなりませんと警告を呼びかけておりました。 この警告が今現実となっております。こうした状況を反映してか、NHKの世論調査で新型コロナウイルス感染への不安を感じるかとの問いに、大いに不安が19%、ある程度不安が48%、あまり感じないが28%、全くないが3%で、大いにとある程度不安を感じている方が67%おります。本市民の不安も同様であると考えます。市は、市民の不安を軽減し、感染防止に最大限努めていただく必要があります。 1件目の質問として、この新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応についてお尋ねいたします。 厚生労働省は、今月17日、発熱などの症状が出た際に、専用窓口へ相談する目安を公表いたしました。窓口に相談すべきケースとして、風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続いた場合やインフルエンザよりもつらいだるさや息苦しさがある場合を挙げております。また、重症化するリスクがある高齢者や糖尿病、心不全、呼吸器疾患の持病のある人、透析を受けている人、免疫抑制剤や抗がん剤を用いている人及び妊婦の方は2日程度で相談すべきとしております。 4日以上というのは長いのではないかと述べている医師もおりましたが、この目安についてと今後の流行について、市のご見解をお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) 〔登壇〕 お答えします。 議員からもご紹介がありましたとおり、先ほど県は、松本保健所管内での新型コロナウイルス感染症患者の発生についてということで報道発表をいたしました。本市といたしましても、感染の蔓延防止、予防対策のため、関係者と連携をして対応していくこととしております。 それでは、議員のご質問にお答えをいたします。 2月16日に開催された国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において議論され、翌日に国から示された相談及び専門外来への受診の目安については十分に議論されたものと認識をしております。2月24日現在、日本国内では139例の発症患者、16例の無症状病原体保有者が確認されており、また、議員からもご紹介がありましたとおり、本日県内での発症者の報告もされているところでございます。 このように、報告例が増えてきている中、感染地域への渡航歴や患者との接触歴などが明らかでない患者の報告例が増えてきており、この目安も変わってきているところでございます。報道によりますと、昨日、国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、今後一、二週間が感染拡大のスピードを抑えられるかどうかとの瀬戸際だという見解を示し、また本日、国の対策本部で基本方針を決定し、感染防止策を講じることとしております。 本市といたしましても、その方針を受け、感染防止に向け適切に対応してまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁いただきました。 それでは、ここから感染防止対策について、順を追って少し具体的に質問をさせていただきます。 まず、私たち市民の感染予防策についてです。厚生労働省等からも示されてはおりますが、確認の意味と市民への呼びかけとして、改めて私たち市民が行うべき予防策をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 新型コロナウイルス感染症とは、ウイルス性の風邪の一種ですので、飛沫感染と接触感染でうつると言われています。飛沫感染とは、感染者の飛沫、くしゃみですとかせき、唾などと一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻、目などから吸い込んで感染するものであり、接触感染とは、感染者がくしゃみやせきを手で押さえた後、その手で周りの物に触れ、ウイルスがつき、他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ると粘膜から感染するというものであります。 国からも示されておりますとおり、日常生活で注意をしていただくことは、まずは手洗いを徹底することであり、外出からの帰宅時や食事の前などに小まめに石けんやアルコール液などで手洗いをお願いしたいと思います。他の方に病気をうつさないためには、せきエチケットが重要です。せきやくしゃみを手で押さえると、その手で触った物にウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他の方にうつる可能性がありますので、十分にお気をつけていただきたいと思っております。 発熱等の風邪の症状が見られるときは、学校や会社を休み、十分に休養を取っていただくなど、お一人お一人が通常の感染対策をしっかりと行うことが重要となりますので、ご協力をお願いしたいと思います。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ありがとうございました。 私たち市民の予防策について具体的にご説明をいただきました。 さて、新型コロナウイルスの感染状況は日々変わり、それに伴い毎日のように新しい情報が出されております。障害者や高齢者などの情報弱者や外国人への情報提供は、市としてどのようにされておられるのか。また、感染予防情報を広報まつもと3月号でできないか、お聞きいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 本市のホームページにおきましては、逐次情報を更新しており、外国語に関しては7か国語で対応しております。1月23日には3か国語で感染症予防のポスターを作成し、ホームページに掲載したほか、各地区等においても配布をしているところでございます。 また、高齢者などインターネット環境にない方を想定いたしまして、厚生労働省のホームページに掲載された感染症予防のポスターを各地区福祉ひろば、地域づくりセンターなどに配布することとし、情報を提供しております。 さらに、議員から今ご提案がありました広報まつもと3月号につきましては、広報まつもと3月号に至急に折り込みでこの情報を提供させていただくチラシを全戸配布することとしております。また、新型コロナウイルス感染症対策に限らず、障害、高齢の方には、関わりのある担当者や事業所、保健師等などを通じて日頃から感染症予防について啓発をしております。 また、外国の方につきましても、日本語のほか、英語、ポルトガル語、タイ語、中国語でのフェイスブックやMウイングの多文化共生プラザでのご利用を通じて情報を提供しております。様々なツールを通じて情報提供をしているところでございます。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 情報提供をしっかり実施されているとの内容のご答弁でした。新しい厚生労働省の感染症予防ポスターの配布及びまた広報まつもと3月号への折り込みチラシの全戸配布もされるということ、ありがたく思います。今後も引き続き、正確な情報をスピーディーに提供していただきますよう、よろしくお願いをいたします。 ところで、長野県内では、各保健所に新型コロナウイルス感染症有症状者相談窓口を設置、また県として新型コロナウイルス感染症一般相談窓口を設けて、心配な方が電話相談できるようになっております。本当に心配な方は相談センターに電話をされると思いますが、一般的に体調を崩した際は、かかりつけの病院、医院を受診すると考えます。新型コロナウイルス感染が拡大している中、本市の市立病院、市立の診療所及び松本市小児科・内科夜間急病センターはどのように対応していかれるのかお聞きいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 新型コロナウイルス感染症の対応につきましては、厚生労働省や県からの指導により、一定の症状がある場合は松本保健福祉事務所の有症状者相談窓口にご相談をいただき、感染の疑いがある場合は帰国者、接触者外来を受診していただくことになっております。このほか、新型コロナウイルス感染症の一般的な相談については、県の一般相談窓口へご相談をいただき、他の感染症などのご心配がある場合は、一般の医療機関を受診していただく流れになっております。この枠組みの中で、市立病院及び市立の診療所、夜間急病センターなどは対応することとしております。 今後も、先ほど申し上げました国の対策本部による基本方針など最新情報に注視しながら、松本保健福祉事務所や松本市医師会と連携して、時々刻々と変わっていく状況に対応してまいります。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁いただきました。 適時的確なご対応よろしくお願いをいたします。 ここで、松本市立病院に関してまとめて3点お聞きをいたします。 まず1点目、松本市立病院は、第二種感染症指定医療機関となっており、感染症病床は6床で、西館3階病棟にあります。同病棟には、HCUと手術室もありますが、他の患者さんに感染する心配はないのかということであります。 2点目、感染症患者に対する医師や看護師は専任になるのかということでございます。 3点目は、マスクや消毒液の在庫状況についてお聞きをいたします。現在、どちらも全国的に品薄状態です。国は製造企業に増産を要請し、企業側も生産体制を強化して頑張っていただいております。しかしながら、超大量の数をチャーター機を使って中国へ輸出しているという情報もあるなどし、国内流通は品薄状態が続くのではないかというふうに懸念をいたします。 マスクは、市立病院のスタッフにとって必要不可欠なものであり、消毒液も病院スタッフのみならず、来院する全ての方の感染防止に必要なものであります。現在どの程度備蓄されているのか、以上3点についてお聞かせください。 ○議長(村上幸雄) 斉川病院局長。 ◎病院局長(斉川久誉) お答えいたします。 まず、他の患者への感染は心配ないのかとのお尋ねでございますが、ご質問にありました第二種感染症指定医療機関は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、指定感染症や今回の新型コロナウイルスのような新感染症などの蔓延等を防止する目的で県が指定をします。この指定を受けている市立病院は、感染症の拡大を防止する必要な設備、体制を整え、適切かつ冷静な対処を普段から努めておりますので、他の患者への感染の心配はございません。 次に、感染症患者に対する職員につきましては、専任ではございませんが、感染制御の専門知識を持つ認定医師をはじめ、感染管理認定看護師などで構成する感染対策室を中心とし、訓練を重ねた医療スタッフが従事する体制としております。 最後に、マスク及び消毒液の備蓄の状況でございますが、現在マスクは2万枚ほどの備蓄がございます。2か月程度は対応できるものと見込んでおります。また、消毒液につきましては、納入業者から通常使用量の供給は可能であるとの確認をしております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 それぞれご答弁いただきました。 一般患者への感染の心配はない、大丈夫ということでございました。 次に、まだ流行にはなっていないとしているものの、感染が広がっている状況から、政府が18日に大規模イベントの延期も検討するように呼びかけ、また厚生労働省も20日に注意喚起のメッセージを出しております。これに相呼応して全国的にイベントや大会等の中止や延期、縮小の発表が先週から相次いでおります。長野県内におきましても、また、松本市内でも信州大学医学部附属病院を初め、各種団体や企業も同様にイベントや会合等を中止、延期、内容変更等を行っております。 本市としても、今後のイベントについて、開催の仕方について検討すべきではないでしょうか、ご見解をお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 樋口健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(樋口浩) お答えします。 イベントや行事などにつきましては、2月20日、厚生労働省からの国民の皆様へのメッセージのとおり、感染防止の観点から感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討していただくことと、現時点で一律の自粛要請を行うものではない旨の注意喚起がされました。行事開催に当たっては感染拡大の防止に向けた対策の準備として、参加者の方へマスクの着用の奨励、せきエチケット、手洗いなどの徹底をお願いをしておりました。 この方針に従い対応することを、本市といたしましても庁内において再度確認をしていたところでございますが、本日松本保健所管内での患者の発生を受け、庁内における対策について再度検討、確認を行うこととし、適切に対応してまいりたいと思っております。 以上です。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 いずれにいたしましても、まず私たち市民一人一人が手洗い、うがいの励行やせきエチケット等、通常の感染対策に努め、自分を守り、人にうつさないようにすることが重要であるということ、また、市としては新型コロナウイルス感染症への対応体制をしっかりとられているという内容であったというふうに思います。 そこで次に、本市経済への影響と支援についてお尋ねをいたします。 日本銀行は、新型コロナウイルス感染症の経済に与える影響を慎重に見ていくと状況を注視する姿勢であります。2002年から2003年に流行したSARSの世界経済への影響は成長率を0.1から0.2%程度押し下げただけでありましたが、現在、中国経済が世界に占める割合は16%程度とSARS流行時の約4倍であります。中国内の生産活動や物流の停滞で国内の自動車生産に影響する事態も懸念をされております。また、中国は、訪日客数、旅行消費額ともに国別で首位、ホテルなど観光業界は中国の海外団体旅行禁止が春節と重なり、既に大打撃を受けております。 そこで、本市経済への影響についてお伺いをいたします。 中国人団体旅行客の減少で宿泊キャンセルの発生など、観光関連業や小売業に、また製造業では部品の調達供給や商談、輸出の停滞などによって影響が生じているのではないかと懸念をされます。実際に残業がなくなったという従業員のお声もお聞きしました。地方の商工業の担い手の多くは、体力が乏しい中小企業、小規模事業者で経営が一気に厳しくなる可能性があります。本市の商工業、観光業への影響はどうなのかお尋ねいたします。 また、影響が既に出ている、影響が出そうで経営にも響きそうだとする中小企業、小規模事業者に対して先手先手の支援を行っていただきたいと思いますが、この点よろしいでしょうか。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 新型コロナウイルスの国内感染の広がりが今後長期化、深刻化することが懸念されておりますことから、市といたしましても経済への影響を大変心配しているところでございます。 国等の対応について若干申し上げますと、国におきましては、新型コロナウイルスの流行により影響を受ける、またはそのおそれがある中小企業、小規模事業者を対象とした相談窓口を開設するとともに、セーフティーネット保証による資金繰り支援の準備を進めております。また、県におきましても経営・雇用に関する相談窓口を設置し、事業者への働きかけを行っているところでございます。 本市におきましても、松本商工会議所が1月29日に専門の相談窓口を設置し、中小企業、小規模事業者の相談に対応しているところであり、また、松本市では公式ホームページ上に具体的な相談窓口や資金繰り支援に関する情報を発信する専用ページを作成し、広く事業者の皆様へ周知を図っているところでございます。 そこで、議員お尋ねの新型コロナウイルスによる具体的な影響でございますが、関係事業者から聞き取りを行いましたところ、市内の観光事業者からは中国本土からの団体予約のキャンセルが数件発生しているものの、大半の事業者が中国本土からの団体予約を受けておらず、現段階では大きな影響は出ていないとの声がございました。一方で日本人観光客の旅行差し控えが影響し、3月以降の予約が入らないことを心配する事業者が多くいらっしゃいました。 また、工業関係では、中国工場の稼働率低下により、輸入部品の調達が困難となり、生産調整を決定している事業者や物流の停滞により工場ラインを停止している事業者があるなど、既に影響が出始めております。中国工場の生産の落ち込みの影響などがこれからどの程度拡大するか心配する声も多く聞かれました。 そうした状況を踏まえ、松本市といたしましては、今後も国の動向を注視し、県、商工会議所、そして金融機関などと連携をしながら、的確な情報発信に努めるとともに、制度資金を通じて中小企業、小規模事業者の資金繰り支援に万全の体制で対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁いただきました。 ご対応をよろしくお願いをいたします。 菅谷市長は、本2月定例会冒頭、国、県、保健所、医療機関との緊密な連携により市民の生命と健康を守り、生活と経済に及ぼす影響を最小とするよう万全を期してまいりますというふうに所見を述べられております。この点、ぜひお願いを申し上げまして1件目の質問を終わりといたします。 次に、2件目の就職氷河期世代支援についてお尋ねをいたします。 バブル経済崩壊による不景気で、1993年から10年余り企業は新卒採用を極力切り詰めました。この時期に高校、大学を卒業した多くの人が新卒採用の就職活動で苦戦。現在30代半ばから40代半ばを迎え、社会の中核となる働き手であるにもかかわらず、この世代のうち正規雇用になりたいのに非正規雇用で働いている人が50万人、就業を希望しながら求職活動をしていない長期無職者が40万人に上ると厚生労働省から出ております。 政府は昨年12月23日に就職氷河期世代の支援に関する行動計画をまとめ、現在行われております第201回通常国会で成立した令和元年度補正予算を含め、3年間で650億円超の財源を確保。この中には地方公共団体において当該地域における就職氷河期世代の方々の実態やニーズを踏まえた地域の経済団体、就労、福祉等の関係機関、当事者団体や支援団体等と連携した取組を加速させるため、地域就職氷河期世代支援加速化交付金30億円を創設し、先進的、積極的に就職氷河期世代への支援に取り組む地方公共団体等を支援するとともに、優良事例を横展開することを目的とする事業が盛り込まれております。 この交付金対象事業例としては、地域における就職氷河期世代の実態調査、ニーズ把握、効果検証として地域のシンクタンク等への委託、また就職氷河期世代に特化した相談支援の実施として、就労のみならず生活、健康、社会参加等について相談を受け、関係機関につなぐための相談窓口の開設、また多様な働き方や社会参加の場の創出として、ひきこもりの者に対する居場所の整備、提供、さらには社会参加や就労に向けた活動のネックとなる経済的負担の軽減として、就職活動のための交通費の支給や就労を前提とした奨学金の返済支援等があります。 この第1次公募期間は、今月12日から来月11日までとタイトとなっております。事業は来年度以降実施することになりますが、事業の申請及び実施に当たっては、県と連携しなければなりません。今回の本交付金事業について本市もあらゆる角度から事業を検討、計画し、積極的に活用・事業化していただき、就職氷河期世代の方々の支援に取り組んでいただきたいと思いますが、本市のお考えをお聞きいたします。 ○議長(村上幸雄) 横内政策部長。 ◎政策部長(横内俊哉) お答えをいたします。 先ほど勝野議員からご紹介がありました地域就職氷河期世代支援加速化交付金が創設されたことを受け、今月12日には、国が都道府県・指定都市を対象とした説明会を開催し、併せて申請の募集も始まっております。 この交付金制度でございますが、事業の実施計画、交付金計画の申請に当たりましては、まず長野県が具体的な支援を検討、調整する体制、いわゆるプラットフォームを設置し、市町村事業の取りまとめを行うこととなっております。したがいまして、松本市としましては、まずは県からの情報収集に努め、その後、事業の実施について判断してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 実施するのかどうかはっきりしないように感じましたけれども、前向きにご検討いただけるというふうに私は受け取りましたので、ぜひよろしくお願いをいたします。 本市においては、就職氷河期世代の35歳から44歳の方で職を探している方が、昨年12月末現在695人とのハローワークの情報であります。また、昨年6月に長野県が公表したひきこもり等に関する調査の結果におきましては、人口当たりの該当者の割合は、市部で0.16%、そのうち40歳代が28.5%、30歳代が21.1%でした。これを本市に当てはめて、私なりに推計をいたしましたが、就職氷河期世代の方が55人程度存在するということになります。 この交付金事業概要として、この世代の実態やニーズを踏まえ取組を進めることが重要としております。まずは、交付金対象にもなっているこの世代の実態調査とニーズ把握する事業を検討、計画し、県と連携して早期に事業化できるように要望をいたします。その上で、ひきこもり、生活、健康、就労等の支援につながる取組を進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。 以上を申し上げまして、この2件目の質問を終わりとさせていただきます。 次に、3件目の図書館行政についてお尋ねをいたします。 まず、サードブック事業について。 平成30年12月定例会での教育部長答弁では、セカンドブック、サードブック、両事業について早期実施に向け検討を進めるとのご答弁があり、早速3歳児健診時のセカンドブック事業を本年度実施をしていただいております。ブックスタート事業とともに、このセカンドブック事業につきましても、子供を持つ親御さんからありがたい、うれしいとのお声を私もお聞きをしております。市長を初め、関係理事者の皆様に感謝を申し上げるところでございます。 ところで、サードブック事業については、来年度予算案にも盛り込まれておりませんでした。第2次学都松本子ども読書活動推進計画では、「一人読みを始める時期のサードブック事業(6歳頃)を実施し」としております。計画自体は、2023年度までのものではありますけれども、早期実施に向けての検討状況を尋ねさせていただきます。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 松本市では、子供が本に親しむため、発達段階に応じた切れ目ない家庭への働きかけとして、平成13年に10カ月児へのブックスタート事業を、そして昨年4月には3歳児へのセカンドブック事業を開始し、絵本をプレゼントしております。議員から大変好評をいただいているというご紹介がありましたが、大変うれしく思っているところでございます。 そこで、議員ご質問の新たなサードブック事業につきましては、一人読みが始まる6歳頃を対象として考えておりますが、その実施時期や内容などにつきましては、現在設置をしております読書アドバイザーなどの有識者で構成いたします学都松本子ども読書活動推進委員会や関係課による庁内調整会議において、早期実現に向け具体的な検討を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 ぜひともよろしくお願いいたします。 次に、平成28年6月定例会においての私からの質問、要望を振り返って、図書館の在り方に関連して質問をさせていただきます。 まず、中央図書館についてであります。 雨漏りやガラス面の飛散防止、蔵書数の増加などの質問に対して、教育部長からは建設から25年が経過し、経年による建物の老朽化や蔵書数の増加による書庫の狭隘化が進んでおり、ガラス面の対応も含め速やかに検討するとのご答弁でございました。 応急的に雨漏り対策とガラス面への飛散防止フィルムの施工については実施をしていただいておりますが、書庫の狭隘状況は相変わらずというふうに思います。雨漏りの修繕にいたしましても度々発生をし、その都度修繕をされておりました。来年で建設から30年になりますけれども、市の公共施設再配置計画において大規模改修時期が40年に延長されたために、大規模改修工事はあと10年先となりました。現在、将来の図書館の在り方について検討をされているようでありますけれども、早期に状況を改善していただきたいというふうに思っているところでございます。 満車状態になってしまう駐車場の改善も含めまして、この点につきご見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 議員ご紹介のとおり、中央図書館は施設設備の経年劣化や駐車場の狭隘化などの課題に直面していることは十分に認識しているところでございます。その中で、雨漏り対策として屋上防水の改修や耐震対策として非構造部材の改修など、必要な工事を実施し、来館者の皆様の安全安心で快適な読書環境の確保に努めております。 議員ご質問の大規模改修につきましては、現在図書館職員による将来の図書館の在り方を考える会議の中で検討を進めておりますが、今後は課題などを整理した上で、来年度には有識者で構成する図書館協議会などからのご意見を参考に、一定の方向性を出してまいりたいと考えております。 また、駐車場の狭隘化につきましては、隣接する旧開智学校校舎周辺の一体的な整備の検討を進める中で改善策を考えてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 内容につきまして了とし、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、電子図書を借りられる電子図書館サービスについてお聞きをいたします。 同定例会で教育部長から今後研究を進めるとのご答弁をいただきました。現在まで電子図書館についてどのような研究が進められてきているのかお伺いをいたします。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 まず、電子図書館でございますが、身体的に来館が困難な方をはじめとして、お仕事や子育て、介護に忙しい方など、なかなか来館することができない方へのサービスの充実や貸し出し、予約などの業務の省力化、また書籍棚の省スペース化を図ることができるといったメリットがございます。 その一方で、提供されている書籍の種類が少ないことや資料の保存ができないこと、また導入に対する費用対効果といった課題から2020年1月1日現在で、全国1,788自治体のうち導入自治体は91自治体、率にしますと約5%と公共図書館への導入は進んでいないのが現状でございます。 現在、同規模自治体への図書館サービスに関する調査の中で、電子書籍についてもその項目の一つとしておりますので、その調査結果を参考に引き続き研究してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 全国的には進んでいないという現状はございます。県内でも、導入した自治体図書館はありません。しかし、だからこそ本市図書館こそはというふうに思っているところでございます。ぜひ研究を進めて、よろしくお願いをいたします。 次に、不明本についてであります。 同じ定例会で要望させていただいたことでございますけれども、毎年500冊程度の不明本が発生をしております。不明本の発生防止についてどのような対策を講じているのかお伺いをいたします。また、不明本をなくしていくために、今後どのような対策を考えておられるのかお聞かせください。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 まず、不明本の現状を申し上げますと、令和元年6月に実施いたしました蔵書点検では、不明本は市内全11館で合計577冊でございます。5年前の平成27年度は849冊でございましたので、減少しております。 その対策といたしましては、最新刊の雑誌、ガイドブックや実用書のような不明になる傾向が強い資料のカウンター内への保管や職員の館内巡回の強化、また職員に気軽に声がけできる雰囲気づくりなどを行っております。また、今後の対策でございますが、他市での事例として、資料のICタグ化によるセキュリティーゲートの設置も効果があるとされており、費用対効果の点も含め、現在研究を進めるところでございます。 今後も引き続き、市民の皆様の貴重な財産であります図書資料の適正な管理に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁をいただきました。 今後も引き続きよろしくお願いをいたします。 次に、図書館とSDGsということでお伺いをいたします。 持続可能な開発目標SDGsの認知度が徐々に高まってきているように思います。その中において、図書館の取組も大切というふうに考えます。国際的な図書館団体でありますIFLA(イフラ)国際図書館連盟は、「全ての人にアクセスとチャンスを 国連2030アジェンダに図書館はどう貢献するのか」という冊子を公開をし、SDGsの枠組みに図書館を位置づけております。IFLAは、この冊子のタイトルにも掲げているとおり、情報へのアクセスを保障することがSDGsにおける図書館の最も重要な役割であると捉えております。 また、IFLAは、それのみならず、図書館は全ての持続可能な開発目標を支持しますとうたい、専門スタッフの支援の下、デジタルメディア情報リテラシー及びスキルを含む全ての人のリテラシーを促進することと幾つかの取組を通じて開発目標の成果向上に貢献するとしております。 本市図書館においては、特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会が運営しております会員制ネットワークシステム「サピエ」にも加盟をしており、視覚障害者や学習障害などの発達障害、知的障害、さらには寝たきりや麻痺などにより書籍を持ったり、ページをめくったりという動作ができない方に対して、障害者向け宅配事業「やまびこ文庫」や朗読サービス等を実施をし、障害者と書籍をつなぐ役割も果たしていただいていると評価をしております。 ところで、本市教育委員会は、この図書館とSDGsの関係をどのように捉えておられるのか、また、今後どのようにSDGsに貢献したいというお考えかお聞かせいただければと思います。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 図書館は、乳幼児から高齢者まで誰もが生涯を通じて健康で生きがいのある人生を過ごし、その中でそれぞれが自己実現を図ろうとするときに様々な情報や学習機会を提供する生涯学習の拠点施設の一つでございます。松本市では、これまでも社会の変化や市民ニーズを踏まえ、地域が抱える様々な課題の解決や暮らしに役立つ資料、情報の収集、提供に努め、積極的に情報発信を行っております。 その中で、学都松本に掲げる学び続けるまち、共に学ぶまち、次代に引き継ぐまちを実践する場として、議員ご紹介の事業など様々な図書館サービスについて、時代に対応した改善を行いながら継続して実施をしております。 このような本市の取組は、誰一人取り残さない社会の実現を目指すSDGsの理念にまさに合致するものと考えておりますので、今後も地域づくりを支える知の拠点として市民サービスに努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 ご答弁いただきました。 地方自治体の図書館や大学図書館でSDGsのテーマ展示や図書展示、パネル展示等を開催するところが見受けられます。SDGsという言葉自体は広く認知をされてきたというふうに感じますけれども、中身についてはどこまで理解しているのかなというふうに思うところであります。 本市においても、さらなるSDGsの市民認知度向上に向けまして、図書館においてSDGsを理解できる展示企画を開催してはと考えますけれども、いかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 松本市では、これまでも平和や食品ロス削減といったSDGsにつながるテーマに沿った所蔵資料を紹介する企画展示を年間を通じて市内全館で行っております。そこで、ご提案のさらなる認知度向上に向けた企画展示でございますが、SDGsの達成に向け、図書館としてのその役割を果たすためにも、多くの市民の皆様がSDGsを理解し、主体的な一歩を踏み出すきっかけづくりとして来年度実施してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 勝野議員。 ◆12番(勝野智行) 〔登壇〕 SDGsの企画展について来年度実施するとのご答弁、了といたします。楽しみにさせていただきます。 先ほどIFLAの冊子のご紹介をいたしました。この中には、SDGs17の目標、全てを対象として途上国、先進国を問わず、世界各地の図書館における取組例が示されております。本市図書館もこれらを参考に、1から17までの全てに一つ一つ貢献できるようにお取り組みいただければというふうに思っております。 これからも常にもっと利用しやすくできないかとニーズをつかみ、挑戦を続ける図書館であっていただきたいというふうに申し上げまして、最後に作家の司馬遼太郎さんが残された言葉を紹介いたしまして、図書館行政並びに私の全ての質問を終わります。 「いま、自分の十代の間に何事かがプラスになったかも知れないということを考えてみると、いくらか考えても図書館しかない」 ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で勝野智行議員の質問は終結いたします。勝野議員は自席へお戻りください。 次に、31番 近藤晴彦議員の質問を行います。近藤議員は質問者待機席へ移動してください。 31番 近藤晴彦議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 会派公明党の近藤晴彦でございます。発言の機会を得ましたので、会派を代表し、内田議員、勝野議員に引き続き、質問いたします。 なお、質問は一問一答で行ってまいります。 初めに、職員採用について伺います。 松本市を大きな船に例えれば、市長という船長のもと、様々な部門の船員、職員の方が乗客へのサービス向上に協力して当たっている、そういったことかと思います。一人一人の船員、職員の力の総合力によって、この乗客への満足度は左右されてまいります。松本市政にあっても職員の総合力が大変に重要と考えております。 さて、総合力はどう考えればよいのか、私は簡単なイメージとしては、その能力と人数の掛け算と言えるのではないかと思っております。ただし、能力については採用時点で全てが分かるわけではありません。判断ができるわけではありません。個々の持っている様々な能力が開花していくということもございます。そういった意味では、総合力確保という観点で、一つの指標としては採用人数ということが最も重要な分かりやすいファクターとなってくると考えます。 そこで、松本市職員の年齢別人数の実態を見てみますと、平成31年4月1日時点でございますが、ほかの年代と比べてかなり少ない年齢層が2つあることが分かりました。1つは、37歳から44歳の辺りの中堅の皆さん、そしてもう一つは、比較的若手、二十六、七歳、そして直近では23歳の方もかなり少ない状況でございます。この職員の採用人数というのは、将来の人口推計、提供サービスの変化、また行政形態の在り方などにより影響を受けるものと考えております。 そこで、まず質問ですが、採用人数について、この短期的、中長期的に、どのように考えておられるのか。担当委員会の総務委員協議会で一定の報告があったということをお聞きしておりますが、ただいま申し上げました年齢別人数の実態も踏まえて答弁願います。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) 〔登壇〕 お答えいたします。 採用者数については、毎年度退職予定者数から行政改革による事務事業の見直しによる要員の増減を加味した人数を採用しております。お尋ねの今後の採用につきましても、この考え方が基本になりますが、短期的には中核市移行に伴う増員や保育士の増員により、退職者数以上に採用することを見込んでおります。 また、中長期的には、人口減少に応じて職員数を減少していくことがベースとはなりますが、例えば2040問題と言われている団塊世代及び団塊ジュニア世代が高齢者となるときには、社会保障分野での職員数の増員が考えられること、またAI、ICT、IoT等を活用した業務の効率化による減員も考えられるなど、中長期的な職員数の増減に関しては不確定要素が多くあります。 ご指摘の職員の年齢構成につきましては、特に平成12年度から平成17年度にかけての行政改革による総職員数の見直しや外郭団体への派遣職員の見直し、これは解消でございますが、解消に伴い採用者数を抑制したことが主な要因となっております。 採用は試験選考でありまして、職員数が少ない特定の年齢を意識した採用は難しいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 短期、中長期の職員採用の人数の考え方について答弁いただきました。様々な不確定要素があるということでございました。 それでは、そういったことを含めての職員構成の現状の課題、対応方針というものはどういうふうに捉えているかについてお聞きをいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 議員ご指摘の年齢層の偏りにつきましては、私どもも承知をしておるところでございます。持続可能な行政組織体制の維持向上に向け、行政職においては29歳までの区分と30歳から35歳までの2つの年齢区分を設けて採用を行っておりますが、採用募集に対する応募者数が減少してきているのが現状であります。今後よりよい人材を確保するためにも、まずは応募者数を増やすことが必要だと考えております。 そこで、今年度は初めて長野市と合同で東京での採用説明会を開催したほか、9月補正予算でお認めいただきました採用案内パンフレットを大学訪問や採用説明会などに有効に活用していくとともに、他の自治体の先進事例なども参考にしながら、より多くの方に応募していただけるよう取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 課題と対応方針について答弁いただきました。 様々な取組がなされるということでございますが、しっかりとこれは取り組んでいただいて、応募増に努めていただきたいというふうに思いますけれども、ここで1個提案というか申し上げたいと思います。これは人数の少ない年代層の中途採用枠というものをどうか拡大できないかということで、そういった意味でバランスが取れないか。先ほど特定の申し込み年代についての試験がないということでございましたけれども、そこに当てての採用枠というものをどうか増やしていっていただきたいなというふうに思います。 冒頭述べましたこの中堅層の年代でございますけれども、社会的には就職氷河期世代と言われています。先ほど勝野議員からも全体的なお話もございました。その中には、私は優秀な人材も埋もれているということもあるのではないかというふうにも思っております。 国はこの世代の正規雇用を30万人増やすということを掲げ、地方自治体に対しましても、この取組を自治体の職員採用についても推進をしてもらいたいという通達を出したと聞いております。こういったことへの積極的な取組を求めますけれども、理事者の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 就職氷河期に該当する世代は、一般的に平成7年から平成17年頃に就職活動を行った現在35歳から49歳の世代と言われております。本市では、他市に先駆けまして平成14年度から採用試験の年齢上限を35歳まで引き上げて実施をしており、新規大学卒業者だけでなく非正規を含めた社会人経験者など比較的幅広い年代層の受験を可能としてまいりました。 平成14年から平成20年までの7年間の採用実績を申し上げますと、約3割が新規大学卒業者、約1割が転職者、そして約6割が非正規や就職活動中の方を採用しております。しかしながら、議員ご指摘のとおり、40歳前後の中堅層の構成割合が低いこと、またこの1月には、総務大臣から書簡により就職氷河期世代の中途採用についてご要請がありましたので、来年度からの採用試験において氷河期世代の採用に向けた取組を進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 氷河期世代の採用ということについて、来年度からしっかり取り組んでいくということで答弁をいただきました。 この動きは全国的にもやはり拡大しているということが分かります。愛知県などでは平成28年度から開始、そしてこの令和元年度については、兵庫県宝塚市や三田市、加西市、赤穂市、また千葉県鎌ヶ谷市、茨城県境町等が採用を始めていると。また来年度も岡山市や東京都、和歌山県、滋賀県、鳥取県がこれを採用すると方針も発表されてございますので、重ねてこの点についてはしっかりとした取組を求めて、本件につきましては質問を終わります。 次に、職員採用についてもう1点ですが、専門職のことについて伺います。 就職前線では、一時期の勢いというものはないものの、依然として技術職をはじめとした専門職の求人は高止まりの傾向が続いているのかなと感じております。本市にも様々な職種の専門職としての職員の方がいらっしゃるわけですけれども、その実態について職種ごとの充足状況といったものはどうなっているのかお聞きをいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 今年度実施しました採用試験の専門職は、土木、建築、化学、社会福祉、保健師、保育士、獣医師、薬剤師、管理栄養士、そして臨床検査技師の10職種であります。いずれも行政職と比べ応募者が少なく、職員確保に大変苦慮しております。 今年度の倍率は、建築、臨床検査技師で1.0倍のほか、獣医師では0.7倍であり、予定した人員確保には至っていない状況でございます。 以上であります。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 職種ごとの充足といっていいかどうか分かりませんけれども、全く充足していないのかなということが分かりました。本当に中には深刻といいますか、獣医師等については本当に深刻かなというふうにも思います。また、私がお聞きしている中では、化学関係の技術者も今庁内にはお一人しかいないということ、違っていれば訂正願いたいと思いますけれども、かなり少ないということで、今後の環境政策、中核市との関係ではこういった分野も非常に重要かなという思いもございますので、そういったことに対して、今この課題と対応方針ということについてお聞きをしたいと思います。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 初めに、化学の職員でありますが、現時点では十分充足をしておりまして、一般職のほうへ回っている職員もおります。 次に、お答えいたしますが、専門職の確保に当たりましては、民間との競合もありまして、本市に限らず全国の自治体で苦慮しているところでございます。中でも、獣医師の全体の状況を少しご紹介申し上げますと、動物病院などの個人診察施設に従事する割合が約45%、農業協同組合などの民間団体及び都道府県職員として従事する割合がそれぞれ約20%、市町村職員として従事する割合は約5%でございます。このような中で、中核市移行後も安定した行政運営を行う上で、専門職は必要不可欠でありますが、現在の人手不足の時代においてその職員の確保は容易ではありません。 そこで、今後の対応方針といたしましては、先ほどの答弁と重複いたしますが、採用説明会やパンフレットの活用などにおいて本市における専門職の業務内容に加え、市の魅力やブランド力などもより効果的にPRするとともに、獣医師の関係団体や大学等へ直接協力を依頼するなど積極的に働きかけて、応募者増につなげてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 課題と対応方針について答弁いただきました。 想像以上にやはり獣医師については厳しい状況かなというふうに思いますけれども、どうか積極的な推進をと求める以外にはないわけでございます。 そのことに併せまして、私はある意味、行政職と民間との違いの中に待遇の違いといいますか、収入の違いということもあるんだろうなということを感じております。抜本的にはこういった専門職の皆さんの待遇改善ということが、これは民間と比較してという意味でも必要ではないかなということも思います。行政の中にあっては、一般職と職務内容が違うというようなことで待遇にということもありますが、そんなに差をつけることができないということも理解をできるわけですけれども、現状のこの人材不足ということを考えますと早急に対策が必要なわけで、本当に必要な部門へは思い切った待遇改善も私は必要かと考えますけれども、この点についての理事者の見解をお尋ねいたします。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 現在確保に苦慮している獣医師につきましては、これまでの採用手法や初任給設定にとらわれず、新たな視点のもと待遇改善に取り組んでまいります。 しかし、その他の専門職につきましては、現在在職している職員との給与バランスも考慮しなければならず、現状では困難であると考えておりますが、他自治体の状況等も参考にしながら研究をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 専門職の待遇改善について答弁いただきました。 獣医師については、積極的にそういったことに取り組んでいきたいということでございました。また、その他の専門職については、現職との調整等、いろんな課題もあるということで困難ではあるが研究をするということでございますので、答弁を了といたします。 いずれにしても、そういった意味での人材確保への精力的な取組を求めて、本質問を終わりといたします。 次に、2件目のSDGsの一層の推進について質問いたします。 これまでもSDGsに関連した質問を幾度か行い、それぞれ前向きな答弁をいただき、具体的な施策の前進が図られておりますことについて評価をいたします。とりわけ先月29日の世界首長誓約/日本への署名につきましては、SDGsの環境分野につきまして大きな課題実行への責務が伴う重大な判断であり、市長とその実行を共に決断した職員の皆さんに敬意を表します。 ただ、これからが正念場となってまいります。市長が替わられたとしても、担当職員が替わったとしても、世界に対して表明したこの松本市の決意でありますので、途中で旗を降ろすというわけにはまいりません。継続的、精力的な取組をと、まず申し上げておきます。 さて、今回は、このSDGs達成へ向けて日本全体の行動を加速させることを目指し、政府としてSDGs実施指針を改定をしたことを受けての質問であります。 国は、2015年のSDGsの採択、そして2016年の実施指針策定の後、精力的に政策を打ち出し、日本全体としての取組を進めてまいりました。そして、この実施指針の初めての策定から3年が経過し、様々な状況が大きく変化し、国際社会が新たな課題や深刻化する課題に直面する中で、現状の取組の検証と見直しを行い、具体的成果を出していくことがより一層必要となっていることから、実施指針を改定したということでございます。また、今後もSDGsサミットのサイクルに合わせ、少なくとも4年ごとに見直すこととしております。 さて、この改定された実施指針では、優先課題を8項目掲げて、合わせてアクションプランを明示しています。そして、各ステークホルダー(利害関係者)との連携、協働を確認しています。全ての項目について本議会で確認することはできませんので、何点か重要と考える内容について伺ってまいります。 まず、優先課題8項目のうち、1番目の「あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現」という項目についての認識と具体的取組の状況について答弁願います。 ○議長(村上幸雄) 嵯峨総務部長。 ◎総務部長(嵯峨宏一) お答えいたします。 まず、認識についてです。 女性が活躍する社会は、今までにはない新たな発想が生まれ、地域産業などあらゆる分野が活性化し、さらには男女両方の価値観が生かされることにより多様なニーズに対応できる、まさに今求められている社会であります。これは世界経済フォーラムが発表した男女格差(ジェンダーギャップ)報告書と国連の世界幸福度報告書のランキング上位国が重なっていることから見ても、個人の理想と現実のギャップが少ない社会であることが高い満足度につながっているものと認識しております。 次に、取組ですが、本市では平成30年3月に策定しました第4次松本市男女共同参画計画及び女性活躍推進計画に基づき、様々な事業に取り組んでおります。 取組の幾つかをご紹介いたしますと、1つ目では、毎年市の附属機関等における女性委員の割合を調査しておりますが、残念ながら目標値には達しておらず、ここ数年、足踏み状態が続いております。附属機関の中には、女性委員が1人もいないものもある一方で、女性委員の割合が7割を超えているものなど分野によって偏りがあり、いまだ性別役割分担意識がジェンダー平等の実現を困難にしているものと考えています。 2つ目は、女性活躍推進のため、働き方改革の一環としてワークライフバランスの体制づくりを支援する仕事と家庭の両立支援事業を実施しています。これは地方創生総合戦略に位置づけた事業であり、各企業の実情に応じて現在約70社で両立支援プログラムが作成されるなど、ワークライフバランスに配慮した働き方改革が進んでおります。 そして、3つ目としては、女性センター・パレア松本での女性の多様な働き方を支援するための女性起業家セミナー、クラウドファンディング活用講座などの実施や市内の金融機関と合同で多様な人材の活躍を推進するためにダイバーシティ推進活動情報交換会を実施しています。 今後も男女共同参画及び女性活躍の推進に向けて国の新たなアクションプランも視野に、一層の推進に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 優先課題の1番目の項目に対して答弁いただきました。 今様々に取組を進めている状況が分かりましたけれども、十分とは言えない状況もあるといいうことでございまして、さらにそういったことも含め今後一層の推進に努めるということでございます。 それでは、次に、3番目の項目に「成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション」という項目がございます。ここについての認識と具体的取組の状況について答弁を願います。 ○議長(村上幸雄) 小原商工観光部長。 ◎商工観光部長(小原直樹) お答えいたします。 松本市では、今後10年間の工業振興の指針となる松本市工業ビジョンを平成30年3月に策定をいたしました。松本市の特性を生かした新たな活力の創造により、高い競争優位性を持った地域、これをものづくり産業の目指すべき方向性として掲げるとともに、今後成長が期待できる分野として健康・医療産業、食料品製造業、産業用ロボット等の高度な産業用機械の3分野を重点的に推進すべき産業と位置づけました。これらの課題認識は、まさに国のアクションプランにおける3つめの優先課題である「成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション」に合致しているものと捉えております。 具体的に申し上げますと、世界的にも今後一層の市場拡大が期待される健康・医療産業の分野におきましては、松本ヘルスバレー構想のもと、産学官連携の場である松本地域健康産業推進協議会を中心に新たな産業創出に向けた取組を実践しております。 食料品製造業の分野におきましては、経済産業省の地域中核企業等の成長の促進に関するハンズオン支援を受け、昨年8月には、松本地域農商工連携ブランド化推進協議会を設置し、産学官金による支援体制の強化を図ることで、松本から生み出される商品の高付加価値化による地域経済の活性化を目指しております。 また、産業用ロボット等の高度な産業用機械の分野におきましては、松本ものづくり産業支援センターを中心に、自動化支援や新技術、新製品の開発支援に関する研究会を来年度設立し、取組を加速化させる予定です。加えて、ICT技術導入による地元企業の生産性向上や新しい働き方の浸透を図るため、その拠点となる施設サザンガクが昨年11月に設置され、ICT人材育成の取組も進めております。 今後も引き続き、経済の分野におけるSDGsの達成を目指し、これらの取組を着実に推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。
    ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 3番目の優先課題について答弁いただきました。 それぞれの今の取組がSDGsと合致をしているということで、さらに一層進めていきたいということでございました。そういったことの意味で、私もまたしっかりそういったことの確認もしていきたいと思いますが、よろしくまた取組を進めていただきたいと思います。 それでは、次に、5番目でございます。 5番目の項目として、「省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会」という項目がございます。この項目についての認識と具体的取組の状況について答弁願います。 ○議長(村上幸雄) 久保田環境部長。 ◎環境部長(久保田忠良) お答えいたします。 議員からご紹介いただきました気候変動対策の取組をはじめ、本市が取り組んでおります松本市環境基本計画など環境関係の諸計画において掲げる基本方針は、国のSDGs実施指針で示しているビジョンや優先課題としている「省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会」と一致した方向性を持つものと認識しております。 そこで、本市における具体的取組について、省エネルギー、再生可能エネルギーを例にお答えをいたします。 まず、省エネルギー、再生可能エネルギーの両方に係る施策として、松本市住宅用温暖化対策設備設置補助金制度を設け、開口部の断熱改修、太陽光発電システム設置、高効率給湯器等の導入など既存の住宅における省エネルギー化や高効率化を促しております。また、市施設などの改修におきましては、今般策定いたしました松本市環境配慮型公共施設整備指針にのっとって、さらなる省エネルギー化や再生可能エネルギー導入を進めてまいります。 次に、再生可能エネルギーの普及促進として、市の温泉施設に木質チップボイラーを設置し、民間への普及促進を図っております。さらに、小水力発電事業などの事業初期を支援する松本市再生可能エネルギー導入支援事業補助金制度を活用した事業者の取組が始まっているところでございます。 今後も引き続き、他の課題も含めSDGsの達成を目指し、取組を推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 5番目の優先課題について答弁いただきました。 松本市が掲げる環境関係諸計画とSDGsは一致している方向性ということでございまして、現在もそれにのっとった数多くの具体的な施策を積極的に推進しているということが分かりました。今後も取組をしっかりと進めていただきたいわけでございますが、本当に南極の夏の気温が20度を超えるという水泳をしている人の動画も放送されましたけれども、そういったこと、あるいは今、海水が抱える熱エネルギーが過去最大に達しているということでありましたり、本当にこの環境分野につきましては、誰しもが自分のこととして考えなければいけない局面にきているということを強く感じております。海面上昇があれば東京もうかうかしていられないなということも現実味を帯びてきたのかなというふうにも思っておりますので、積極的な取組をさらにお願いをしたいというふうに思います。 それでは、次に7番目の項目として「平和と安全・安心社会の実現」という項目がございますが、この点についての認識と具体的取組状況を答弁願います。 ○議長(村上幸雄) 村山こども部長。 ◎こども部長(村山修) お答えいたします。 松本市では、昭和61年の平和都市宣言を初め、国連軍縮会議や平和首長会議を開催するなど、平和の大切さや命の尊さを若い世代につなげていくことが大切であると捉えておりまして、平和に関する情報の発信と事業の推進に取り組んでおります。 また、安全・安心な社会の実現に当たっては、SDGsの示す子供の安全の観点から、子供の人権問題への対応や児童虐待防止など子供の権利を守る取組が特に重要であると認識をしておりまして、各種の事業を展開しているところであります。 具体的には、子供の人権問題への対応として、平成25年から県内19市で唯一、松本市子どもの権利に関する条例を施行し、子供の相談、救済を目的とした子どもの権利相談室を設置するなど、子供の人権を擁護する体制を整えております。 また、児童虐待防止対策といたしまして、この4月から松本市子ども家庭総合支援拠点を設置いたしまして、市町村の役割としてSDGsのアクションプランに明記されています虐待の危険がある子供と家庭への支援体制を強化してまいることとしております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 7番目の優先課題について答弁いただきました。 平和についての取組、またこの安心安全ということは、この項目の中では特に子供のということを言っておりまして、そのことに対しての取組、また来年度新たな取組、虐待関係についても進めるということでございます。 8項目の優先課題があるわけですが、今回は、このただいまの答弁も含めまして4項目について伺いました。既に他市に先駆けての取組となっている項目も多くございました。また、これからという項目もございました。この優先課題というのは、それぞれに独立しているわけではなく、相互に密接に関わる不可分の課題とされておりますので、取組の弱い部分については、今後の精力的な取組を求めておきます。 本日質問をしなかった項目も多々ございますので、今後とも継続的に進捗状況等も含めて確認をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 次に、優先課題の次でございますが、改定版の実施指針の中で様々なステークホルダー(利害関係者)との連携、協働を確認していると先ほど述べましたけれども、具体的にはこの指針では11のカテゴリーをステークホルダーとして掲げております。そして、それぞれに求める取組を明示してあります。全てを申し上げませんけれども、この11の中には消費者も含まれておりますし、次世代の皆さんも含まれています。また、教育機関、あるいは地方自治体ということも1つのステークホルダーとして明示されました。 そして今回、これは初めてでございますけれども、議会もこの利害関係者であるということが明示されました。ちなみに、議会についてはこう述べられております。「国会及び地方議会は、国内において『誰一人取り残さない』社会を実現するため、広く日本全国から国民一人一人の声を拾い上げ、国や地方自治体の政策に反映させることが期待される。さらに」、中略、「国や地域が直面する社会課題を解決するための具体的な政策オプションを提案することが期待されている」と記載されております。議会としても政策提案へのさらなる努力が必要となっているということでございます。 質問ですが、まず教育機関について伺いますが、教育機関の求めはこうです。「『持続可能な社会の創り手』の育成を目指した学習指導要領改訂も受け、ESD(持続可能な開発のための教育)の推進拠点であるユネスコスクール・ネットワークの活性化を図るとともに、社会教育関連機関も含め、SDGsに資するように多様な文化とつながりながら学習できる環境づくりを促進する」とされております。 本市では、このユネスコスクールについては、信州大学附属松本小学校、同中学校以外に加入はないという現状もございますけれども、このステークホルダーとしての教育機関という項目に対しての教育委員会の認識と取組方針について伺います。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 SDGsの達成に向けステークホルダーとして位置づけられた教育委員会といたしましては、持続可能な社会の創り手になる児童生徒の育成を図る上で重要な役割を担っていることは認識しているところでございます。 議員ご紹介のように、教育機関には2つの取組が求められておりますが、まず1つ目の取組といたしまして、ユネスコスクール・ネットワークの活性化についてでございます。 このユネスコスクールについて若干申し上げますと、ご承知のとおり、国連の機関のユネスコの理念実現のため、平和や国際的な連携を実践する学校で、現在世界180か国以上の国・地域で1万1,000校以上の学校が加盟しております。よりグローバルな視野で国内外の課題について学習を進められることから、そのネットワークの活用が求められているものでございます。 議員からご紹介がありましたが、市内では信州大学附属松本小・中学校が加盟しているということでございますが、SDGs達成のため松本市教育委員会といたしましても、このユネスコスクールへの参加も含め、松本らしい取組を推進していくための方策を研究してまいりたいと考えております。 次に、2つ目の取組についてでございます。 SDGsに資するように多様な文化とつながりながら学習できる環境づくりの促進についてでございます。松本市では、海洋パイオニアスクール事業の推進や松本版コミュニティスクールの運営などを通して、これまでも積極的にSDGsにつながる学習の環境づくりを進めてまいりました。今後も学習内容とSDGsの17の目標との関連を明確にし、持続可能な社会の実現のため児童生徒が自らできることを考えていく契機となるよう、学校への支援を続けてまいります。 なお、学校教育だけではなく、先ほど勝野議員にもお答えしましたとおり、図書館など社会教育機関の場においてもSDGsへの取組をどう進めるか研究してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 教育機関ということで教育委員会に求められる内容について、それぞれ認識等を答弁いただきました。 ユネスコスクールの件は研究していくということでございますし、またその他様々な環境づくりということについても積極的に取り組んでいくということでございますので、どうかしっかりと進めていただきたいと、このことは申し上げておきたいというふうに思います。 それでは、続いて、地方自治体についてでございます。 どう表現されているかと申し上げますと、「地方自治体においては、体制づくりとして、部局を横断する推進組織の設置、執行体制の整備を推進すること、各種計画への反映として、様々な計画にSDGsの要素を反映すること、進捗を管理するガバナンス手法を確立すること、情報発信と成果の共有として、SDGsの取組を的確に測定すること」等が期待されているというふうになっております。この項目についての認識と取組方針について答弁願います。 ○議長(村上幸雄) 横内政策部長。 ◎政策部長(横内俊哉) お答えをいたします。 地方自治体がSDGs推進のステークホルダー(利害関係者)であることは認識をしているところであり、松本市としましては、平成30年度から実施計画の策定において各事務事業とSDGsのひもづけを始めました。今後の取組方針としましては、令和2年度に策定する総合計画、基本構想2030及び第11次基本計画につきましてSDGsの達成に寄与する計画としてまいります。 また、世界首長誓約/日本への署名を機に策定をする気候エネルギー行動計画を初め、環境、社会、教育、経済など今後策定する様々な分野の計画におきましても、SDGsに向けた具体的な目標や取組を示してまいります。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 地方自治体について求められる内容についての認識と方針について答弁いただきました。 平成30年から既に実施計画とSDGsがひもづけされているということ、それとまた今後の様々な計画もSDGs達成へ向けての計画としていくということでございました。このSDGs推進へ強く明確な意思を感じ取ることができたと理解をしております。どうか全職員の皆さんが自身の行動の中に具体的にまたそういったことを落とし込んでいただきたいと、このことを強く求めたいと思います。大いに期待をいたしておりますので、しっかりとした取組をお願いいたします。 今回は、この改定されたSDGsの実施指針に関する基本的事項の一部について、その確認を趣旨として質問をいたしました。具体的なそれぞれの施策については、また今後の幾つかの場面で質問をしてまいりたいと思っております。 本質問の最後に、このSDGsと行政についての市長の思いについてお聞きしたいと思います。市政を執行していく上で、SDGsの取組についてどのように捉えられておるのか。本件については、平成30年2月にも一度お聞きをしておりますけれども、今後の市政への期待ということも含めて、改めて答弁願います。 ○議長(村上幸雄) 菅谷市長。 ◎市長(菅谷昭) お答えいたします。 私は16年前、市長就任当初から超少子高齢型の人口減少社会の急速な進展を見据え、既にまちづくり政策の基盤の一つとしてサステーナブルな社会づくりの方針を打ち出し、いわゆるサステーナブルシティーを創造するとの考えのもと、多彩な取組を進めてまいりました。健康寿命延伸や食品ロスの削減、世界首長誓約/日本への署名も、世界規模で懸念される問題に真剣に向き合い、持続可能な世界や松本のまちであるために地方都市として何をすべきか、何ができるのかを具体的に考え、行動に移してきたものでございます。 こうした考えに基づき、松本市が目指すべき将来の都市像として掲げる健康寿命延伸都市・松本の創造とSDGsの理念はまさに合致しているものと捉えております。先ほど近藤議員からもお話がありましたが、どなたが市長になろうとも今後の市政運営においてもSDGs、そしてサステーナブルシティーとしての地方都市松本発の持続可能なまちづくりにシンクグローバル、アクトローカル、地球規模で考え、地方から行動を起こすことを意識して取り組んでいただきたいと期待しております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 市長の思いということで答弁いただきました。 本当にこのことは今後の市政においても普遍的な姿勢でなければならないと強く思うところでございます。 先ほど部長答弁にもございましたとおり、本年2020年は、SDGs達成の目標年の2030年へ向けてのスタートでもあり、本市としては基本構想2030、そして第11次総合計画策定ということで、意義としては本当に大きな年でございます。それぞれの構想や総合計画がこの改定版の実施指針にうたわれている8項目の優先課題、そしてアクションプランといったものの内容を十分に検討の上、進めていかれますように強く求めて本質問を終わります。 それでは、最後に3件目でございます。 地域力の向上ということで、地域づくりに関しての1つの角度としての質問でございます。 地域力の向上には、1つの尺度としてそこに暮らす住民の皆さんの活動量というものが上がってくることが必要。そしてまた、一人一人の地域に対する思いの高まりということも必要であると考えます。地域への思いというこの定性的なものについて、それぞれの地域ごとでも違ったり、また各個人それぞれの置かれた状況で大きく左右されることもあり、このことについて一概に答えを出すことは困難であります。今回の質問は、住民の活動量の向上ということに焦点を当ててお聞きいたします。 私は、活動量の増加、これはある意味、地域の活性化であるとも言えると思いますけれども、そのよりどころとしての中心施設が絶対的に必要であるというふうに私は考えております。町会に当てはめれば、町内公民館がそれに当たるわけであります。 町内公民館は、町会活動の拠点としての役割はもちろんのこと、現在は災害時の一時集合場所としての機能、さらには指定避難所を補完するといったことでも地域の避難所としての役目も求められております。 そこでまず、今の町内公民館の設置状況と利用状況について、その概要で結構でございますのでお尋ねをいたします。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 まず、設置状況ですが、全488町会のうち、町内公民館を設置している町会は444町会でございます。町会の総会をはじめとする各種会議のほか、敬老会やこども会、健康教室などの行事や公民館講座など幅広く利用されているものと承知しております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 町内公民館の実態といいますか概要ということで答弁いただきました。 幅広い利用があるということは分かりました。私も様々な町会へ数多く伺う機会がございますけれども、そこで率直に感じることは、やはりある意味使いやすい公民館といいますか、バリアフリーでありますとか様々な機能がありますけれども、そういったことが充実している公民館の町会は非常に活発に活動があるのかなということ、これは定量的に測ったわけでもありませんが、感覚としていろんな町会にお邪魔したときに感じる点の一つであります。 そこで、活動量の向上への課題として、私は公民館の老朽化、使い勝手の悪さということも解決していかなければいけないのかなというふうに考えます。それと、今それでも一定の活動がなされており、さらに活性化を目指すという地域からは幾つか、私も直接この公民館施設の建て替えということも求める、そういったところへの声も聞こえてきております。そこで問題になってくるのが、今、建設費用の課題というふうに皆さんから言われます。 本市には町内公民館整備補助金制度がございますけれども、この制度について過去の議会一般質問では、平成29年、当時の宮下議員から質問がなされておりまして、当時は、補助金限度額の引き上げを検討していきたいという答弁がなされております。このことも踏まえて、今の本制度の現状についてはどのように認識しているのか伺います。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 町内公民館整備補助金につきましては、議員ご紹介の平成29年9月定例会の答弁以降でございますが、2回のアンケート調査や他市の状況調査など客観的な分析も含めた幅広い検討を進めております。その中で、松本市の補助制度は、他市にはないメニューとして用地取得や借地の費用など幅広く支援する制度であると捉えております。 アンケートによりますと、現行制度について45%の町会が今のままで良いとの結果ではございますが、松本市といたしましては、今後ますます進展する人口減少を見据える中で、時代に即した補助制度が必要であるということは認識しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 町内公民館整備補助金の現状といいますか、そこへの認識を答弁いただきました。 何らかの改善が必要だと考えているということだと思いますけれども、今ほどの答弁にもありましたけれども、アンケートを実施したというご答弁がございました。昨年、町会を回っていたらアンケートが来たよという声も聞いたので、その件かというふうにも思いますけれども、そのアンケート結果、今45%の方が今のままで良いという答弁もありましたけれども、その結果の中身について見えてきたことについてお聞きをしたいというふうに思います。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 アンケート調査の結果、今後5年以内に公民館の建て替えや改修などを予定されている町会は42%であり、このうち建物の内外装及びエアコン、トイレなどの設備改修が80%と最も多く、新築6%、建て替え及び耐震補強がそれぞれ5.4%といった状況でございます。 さらには、充実してほしい補助項目としましては、内外装や屋根、外壁などの一般改修が33%、耐震補強工事が27%、トイレの洋式化、スロープの設置などの福祉関連整備が24%と全体の84%の町会が既存建物の改修を挙げております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 アンケート結果の内容について答弁いただきました。 分析については、もう少し私も様々な状況確認も含めて必要な部分もあるかと思いますけれども、やはり改築あるいは新築等を考えているところも具体的にあるということでございまして、そういったところの皆さんのお話を聞くと、この建設規模、あるいは機能強化ということもやっぱり今後の地域活動の中では求められていて、どうしてもそこをやっていかなければいけないといったことや、ユニバーサルデザインということも新しい建物ではしっかりやっていく必要があるということも言われておりました。 そういった意味から、また現状での建設のコストの高騰化ということも加わっているのかなというふうにも思いますけれども、資金計画ということが大きな課題となっているということもお聞きをしております。 私が直接お話を伺っている複数の町会では、やっぱりそういった新築の計画があるわけですけれども、そのために今、町会としてのまとまりの強化を一生懸命やっているということでした。具体的には、自己資金の確保が必要となってまいりますので、そのための協力体制を町会の中でしっかりと取り組んでいるということであります。そして、さらに町会活動の活性化を図っていきたいという本当に前向きな姿勢がそういったところからは感じられております。 そういった意味で、何とかしてこの地域力の向上と活性化という自らの思いで今進めようとしている町会を資金面からもう一段支援していくことが必要であると強く私は思っております。そういった結果として、これは町会の危機管理の力も向上に必ずつながっていくというふうに考えております。 町内公民館整備補助金要綱の見直しといったことをしていただき、この補助金の引き上げを改めて強く求めるところでございます。今後の方針についてお聞きをいたします。 ○議長(村上幸雄) 山内教育部長。 ◎教育部長(山内亮) お答えをいたします。 この補助金は地域づくりの核となる町会運営の一助であり、一定程度町会負担を軽減する重要な制度であると認識しております。松本市といたしましては、状況に応じた見直しが必要であると考えてはおりますが、先ほどご紹介しましたアンケートの結果から見ますと、既存建物の改修要望が多い現状において、大規模な新築や建て替えに限った限度額の引き上げはなかなか難しい状況であります。 そこで、議員ご提案の補助金の引き上げでございますが、先ほど認識の中でも申し上げましたが、今後ますます進展する人口減少や高齢化の中で、議員ご紹介のあった公民館老朽化に伴う大規模工事への対応や、また福祉関連整備の充実などといった課題については十分認識しているところでございます。町会の皆様の声をお聞きしながら、今後、補助制度全体の中で必要な検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(村上幸雄) 近藤議員。 ◆31番(近藤晴彦) 〔登壇〕 町内公民館建設補助金要綱の見直しの方針、答弁いただきました。 いろんなアンケートの内容もあったりするという中で、それを単独でやるということはやはり難しいかなということは理解ができます。部長答弁、様々な課題も含めて全体の中で検討するということかと理解をいたしましたので、了としたいところでございますが、平成29年9月からの検討期間があった中では、スケジュール的なところもあってもいいのかなということはちょっと感じたところでございます。ただ、よりよい方向への検討期間ということと信じて答弁を了としたいと思います。 そして、来年度、令和2年度の一定の時期にそういった方針が得られるような精力的な検討を重ねて求め、本質問を終わり、発言の全てを終了といたします。 ありがとうございました。 ○議長(村上幸雄) 以上で近藤晴彦議員の質問は終結いたします。近藤議員は自席へお戻りください。 この際、お諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、明26日午前10時再開の上、市政一般に対する質問を続行いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(村上幸雄) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。 本日の会議はこれをもって散会いたします。 お疲れさまでございました。                              午後4時40分散会...